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Gonin2
GONIN2 (1996) Japan 108 min.
Introduction 序盤アウトライン
東京。高利貸しのヤクザ中嶋組に多額の借金を抱える鉄工所経営者の外山は、愛妻が陵辱された挙句に自殺に導かれる中、その敵を討つべく組長以下数名の組員を皆殺しにする。金庫から500万円を強奪した外山は、生前の妻に贈るはずだった猫目石をその供養として購入すべく宝石店へと向かうが、何とそこは、中嶋組の若い衆らによる宝石強奪の犯行の渦中だった中、あろう事か謎の女一味が中嶋組から強奪品を横取りして逃走しようとしていた最中だった。女一味とすれ違った外山は、猫目石の買取を申し出ようと女一味の潜伏場所へ向かうが、その背後には残忍非道な中嶋組の魔の手が迫ろうとしていたーー
Various Note メモ
崖っぷちの男と女を壮絶なバイオレンスで描く。脚本と監督は「死んでもいい (1992)」「ヌードの夜 (1993)」「夜がまた来る (1994)」「天使のはらわた 赤い閃光 (1994)」「GONIN (1995)」の石井隆。前年リリースの「GONIN」に続く「GONIN2」と銘打たれたシリーズタイトルながらも、内容そのものは1話完結の完全オリジナル。ただ、前作メインキャストのカメオ的な出演はもとより、前作を踏襲する数々のオマージュも楽しめる。「月下の蘭 (1991)(OV)」から石井作品ではお馴染みの安川午朗による重厚なテーマ楽曲も前作を踏襲。
主演は「鬼畜 (1978)」「復讐するは我にあり (1979)」「楢山節考 (1983)」「火宅の人 (1986)」の緒形拳。共演は「続 愛と誠 (1975)」「オルゴール (1989)」「いつかギラギラする日 (1992)」の多岐川裕美、「月下の蘭 (1991)(OV)」「ヌードの夜 (1993)」「夜がまた来る (1994)」の余貴美子、「食卓のない家 (1985)」「危険な女たち (1985)」「死んでもいい (1992)」の大竹しのぶ、「望郷 (1993)」「誘う女 (1995)」「八つ墓村 (1996)」の喜多嶋舞、「夜がまた来る (1994)」「藏 (1995)」「罠 THE TRAP (1996)」の夏川結衣、「トカレフ (1994)」「大夜逃 夜逃げ屋本舗3 (1995)」「釣りバカ日誌8 (1996)」の西山由海、「湯殿山麓呪い村 (1984)」「夜がまた来る (1994)」「GONIN (1995)」の永島敏行、「台風クラブ (1985)」「天使のはらわた 赤い閃光 (1994)」「GONIN (1995)」の鶴見辰吾、若い組員を演じる松岡修介、「居酒屋兆治 (1983)」「楢山節考 (1983)」「ペンタの空 (1991)」の左とん平、「二十才の微熱 A TOUCH OF FEVER (1993)」「鬼火 (1996)」「チンピラ (1996)」の片岡礼子、「ヌードの夜 (1993)」「天使のはらわた 赤い閃光 (1994)」「GONIN (1995)」の飯島大介、「マークスの山 (1995)」「チンピラ (1996)」「キッズ・リターン (1996)」の寺島進、「ラブホテル (1985)」「ヌードの夜 (1993)」「天使のはらわた 赤い閃光 (1994)」の速水典子、他。寺田農、竹中直人、根津甚八、佐藤浩市、椎名桔平の各氏も友情出演で顔を出す。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
崖っぷちの男5人を中心に暴力と恐怖の世界を半ば静謐ともいえるタッチで描いていた前作だが、ここでのメインキャラは、訳アリの男1人と訳アリの女が数名。しかもここでは、固定キャラの人数には実質こだわらず。死を覚悟するさまざまなキャラクターがノーサイドで入り乱れる。ついては、出会い系娼婦のサユリ(大竹しのぶ)が真っ先に退場する中、優柔不断なヤサ系組員の梶(松岡俊介)の女・直子(片岡礼子)が5人目のメンツとして入れ替わるが、そんな敵味方の立場を瞬時の局面で入れ替える脚本は実に見事。打算や利害も超越する極限下での人間描写がスピード感溢れる演出の下、終始スイングする。倒錯女キャラも地で行く大竹さんのパフォーマンスなど、前作では見受けられなかったようなギャグ満開の演出も飛び出すが、絶妙なテンポの演出の下では微塵のイヤラシさもなし。てんこ盛りのバイオレンス描写なども全く違和感ないが、この辺りは昨今の邦画でも超個性的な抜きん出た才覚。まぁ、この辺りは過去の石井作品でも立証済みだったが、セーラー服姿の中年娼婦キャラによるブリっ子ギャグと暴力や強姦シーンを織り交ぜながら、ここまで重厚なタッチで統一させてしまう作品と云うのもかなり珍しいはず。
前作に引き続きキャスティングも見事。パトロンに三行半を突き付けられる蘭(余貴美子)、少女時代のトラウマに苛む早紀(夏川結衣)、執行猶予中の中年娼婦サユリ(大竹しのぶ)、愛人に亭主を寝取られる志保(西山由海)、そして、両サイドの狭間で揺れる悪女のちひろ(喜多嶋舞)など、氏名の頭とケツだけを取れば「外道」にもなる主人公の外山正道(緒形拳)を除けば、女キャラで占められる主なメンツだが、何れのキャストも適材適所の好演。ちなみに女キャラと云えば、外山の愛妻・陽子を演じる多岐川裕美さんの存在もデカイ。いきなりの強姦シーンから直後の首吊りシーン、残る全編では毛布に包まれた遺体姿と散々な配役だった多岐川さんだが、実はこれも下手なキャスティングであれば、大コケしていた重要なパート。と云うか、最終盤での遺体姿の陽子については、もはやメインキャラ的な重要な存在。遺体姿ゆえに終始目を閉じていた陽子が、断末魔の外山に眼光を見開くシーンなどでは金縛りにも近い感覚に襲われる。この辺りの怪談調のようなノリは、余さん主演の「ヌードの夜 (1993)」でもおなじみだが、何れにせよ、多岐川さんならではのインパクトだった陽子と云うキャラは、ここでは紛れもなくメインの一人。と云うか、先の通り、不確定だったようにも思える女軍団5人目のメンツだが、崖っぷちも通り越して早々に他界する陽子というキャラこそが、実は1/5、最初にして不動のメンツだったのかも。
「死んでもいい (1992)」の大竹しのぶ、「ヌードの夜 (1993)」の余貴美子、「夜がまた来る (1994)」の夏川結衣など、石井作品のヒロインが一堂に会する辺りもファン垂涎のキャスティングだったが、公開当時、やはりSM度全開の体当たりヌードも披露する喜多嶋さんのパフォーマンスにはビックリさせられた。「夜がまた来る (1994)」でのどん底を徘徊する夏川さんのパフォーマンスも今となってはすこぶる貴重だが、何れの場合も、とにかく安っぽくない。と云うより、限りなくグレーな世界をリアルに描く出色のシナリオ+演出にはここ一番での必要不可欠な名演だったと言える。
前作「GONIN」のオマージュもここでの大きな見所。佐藤浩市さん演じる万代が経営していたディスコ"Birds"でのロケ設定をはじめ、ワンカットに登場するバッティングセンター、ゼンマイ仕掛けのエロオモチャなど、探せばもっとあるのかも。ちなみに、お馴染みのメンツによる友情出演もファンには堪らない所だが、蘭に最高級のスタンガンを売りさばく店員(竹中直人)、クライマックスで左さん演じる極道の親分・野崎に「車はどこだ?」と聞かれて「すぐそこです。」と答える若い組員(椎名桔平/女アサシン3人に発砲された後、「てめえら!」と云うセリフもあり)、序盤で蘭に三行半を突き付けるパトロン(寺田農)などはすぐに気付けるものの、根津さんと佐藤浩市さんの出演シーンについてはかなり微妙。
根津さんについては、クライマックスでの銃撃戦が始まる直前、野崎(左とん平)や若い組員(椎名桔平)、ホステスらの一行をさえぎる形で道路を横断する人物がそうだったのかも。佐藤さんについては、ちひろ(喜多嶋舞)がディスコの厨房に潜む終盤、様子を伺う鏡の傍らにロックスター時代の万代の写真が登場するが、かなり微妙だったのは中盤でのワンカット。梶とつるんでいた若い構成員がディスコ屋上で外山に殺害された後、駆けつけた野崎に梶が尋問されるシーンが登場するが、梶を野崎の前に突き出すべく「梶(松岡俊介)ってのはどいつだ?」と云うセリフ付で登場するスーツ男が佐藤さんだったような気も。直後のカットでは別のキャストと入れ替わっているが、そもそも、梶を呼びつけるだけのあの不必要にも思えるカットはやはり意味深。また、友情出演ではないが、中嶋組組長を演じる飯島大介さんのパフォーマンスも相変わらずのインパクト。前作では、ディスコで被弾しながらもゾンビのように反撃するタフな配役だった飯島さんだが、ここでの主人公に追い詰められての自害シーンも壮絶極まる。
それにしても、のっけからの強姦シーンにはかなりヘコまされる作品だが、石井監督が脚本を手掛けた「天使のはらわた・赤い教室」での鬼畜シーンほどではないにせよ、やはり女性への陵辱シーンには生理的な不快感が爆発する。裏社会での真実にも近い情景をリアルに描くのであれば、一連の描写もやむを得ないフシもあるのだが、あまりに過激な描写は、時にネガティヴな意味で感化されるリスクも含む。本能を制御できずに真似したがるような最低な奴らも決して少なくない。万華鏡のように瞬時の局面で変化する人間の生命にメスを入れるべく、リアルタッチでのバイオレンス創作映画の果たす役割もそれなりに大きいとは思うが、その奥底には、やはり法華経で説かれるような生命の十界論や、三世の生命論における因果の理法など哲学としての生命観が欲しい所。やるせない気にさせられるばかりでは、本作のようなきらめく才能も、巷に溢れかえる無感性なAVなども同等扱いされる事も多々あるのだ。所詮は人間などとは割り切る必要もないはず。その生死についてすら神秘のベールに包まれる人間の生命とは、哲学で解明できる余地も無限大なんだし。



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