Return To Top
The Lost Boys
ロストボーイ (1987) USA 98min.
Introduction 序盤アウトライン
米西海岸の町、サンタカーラ。離婚したばかりの母親と共に祖父の家に越して来たマイケルとサムは、行方不明者と殺人が多発すると云う町の実情を耳にしながらも、故郷のアリゾナとは違う開放感を満喫していた。そんなある夜、野外コンサートの会場で見初めた美女スターを巡って柄の悪い若者グループとトラブルになったマイケルは、そのグループを率いるデイヴィッドから勧められたドリンクを飲んだ事から、その体調に大きな異変をきたすようになってしまう。昼夜の生活サイクルも逆転し、様子のおかしい兄マイケルに不審を抱いた弟のサムは、そのヴァンパイア化する過程にあるマイケルを救う唯一の手段として、町の自衛団を自負するフロッグ兄弟と共に親ヴァンパイアの討伐に乗り出すのだがーー
Various Note メモ
ヴァンパイア化しつつある主人公(ジェイソン・パトリック)とその弟(コリー・ハイム)が、町を巣食うヴァンパイア一味と対決すると云う物語。そのコミカルなアプローチは、当時大ヒットを記録した少年主人公たちの活躍を描く「グーニーズ」のような路線のお気楽なヴァンパイア版と云った印象も受けるが、それだけで片付けられる作品でもない。後年のTVシリーズ「バフィー~恋する十字架」で連発される"vamp out"と云う俗語を生み出したこの作品は、近代ヴァンパイア作品のファンの間では圧倒的な支持を受けているが、その実、古典に親しむファンが楽しむにも充分な内容。
当初はメガホンを取る予定だったと云うリチャード・ドナーが「リーサル・ウェポン」のプロジェクトへ移行した後、実はシュマッカーへのオファーが出される以前には、「シエスタ」や「ペット・セメタリー 」などミステリーやホラー路線の女流監督として知られるメアリー・ランバートがプロダクション入りを果していた。間もなくして「創造的な違い」によって辞退したランバートの後を受ける形となったシュマッカーだが、「昔から伝わる伝説を使って独自な作品を作るよい機会だった」とは監督シュマッカーの弁。クライマックスのサプライズに繋がる随所での伏線的カットや、「招待された場合、一切のまじないも利かない」と云う親ヴァンパイアの台詞でその謎をバッサリと切り捨ててしまう飄々とした演出など、そのシュマッカーの意図も投影された起伏にも富むシナリオは何気に面白いもので、その意表を突くキャスティングとなったエドワード・ハーマンの特殊メイク顔などに至れば、もはやサプライズの絶頂。あのハーマンが配役を引き受けるに至った経緯なども知りたい所。
後に「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」として映像化されるアン・ライスの小説やヘルツォークの79年監督作品「ノスフェラトゥ」、ジョン・バダムの79年監督作品「ドラキュラ」、トニー・スコットの83年監督作品「ハンガー」などを参考にしたと云うシュマッカーだが、ここでのホラーとユーモアを融合するその基本路線は、作品を鑑賞すれば明らかな所。シュマッカーのコメントをそのまま引用すれば、身の毛もよだつような恐怖を、その直後には笑い飛ばしたいと思っている観客などに向けられたものだったらしいが、対照的なコントラストを醸し出す昼夜の映像や数々の特殊効果映像など、正に劇場長編ならではと云ったホラーイズムも真しやかに満喫出来る。
ちなみに、「物凄いスピードで飛び回るヴァンパイアたちを、スピードを落さず、いきなり空中で止める事が出来るか?」と云うシュマッカーの難題リクエストを受けていたと云う特殊効果チームだが、当時の技術ではハーネスや索具装置だけでは不可能だったと云うその特殊効果映像は、ブルー・スクリーンと照明の交換、カメラモーションや光学合成をコンピューターで制御する最先端のモーションコントロールなどが併用され、ステレオの前で黒焦げになるヴァンパイアのシーンでは、僅か10秒程度のシーンながらも、丸二週間が費やされていたらしい。
屋外でのロケーションは、北カリフォルニアの海岸沿いの町サンタクルーズで行われたもの。あの有名なサンタクルーズ遊歩道は若いヴァンパイアたちのスポットとして利用され、「家庭的な人間」「浮浪者」「パンク」「サーファー」「ローラースケートで走り回る若間」「脳死状態のヒッピー」と云う名目でのエキストラ募集には数千人が殺到、その応募者の中から二千人あまりのメンバーを起用したと云う夜間の撮影は、サンタクルーズでは前代未聞の規模だったと云う。
デイヴィッド(サザーランド)によるスクリプトでも語られる通り、1906年のサンフランシスコ大地震で断層に沈んだビクトリア朝のホテルロビーと云う想定でデザインされたと云うヴァンパイアの隠れ家だが、実は、「この町にはヴァンパイアが多すぎる」と云う祖父の台詞で幕を下ろすシナリオには続きがあったもので、そのオチのカットでは再びあの隠れ家が登場するはずだったらしい。その内容は、他に生き残っていたヴァンパイアたちが、隠れ家の壁に飾られた人物画を眺めていると云うもので、そのヴァンパイアたちが崇める絵画の人物こそが祖父だったと云うものだが、このオチのモチーフ、シナリオには綴られていたものの、実際には撮影されなかったらしい。ちなみに、その祖父の配役には、撮影直前に死去したキーナン・ウィンや往年のヴァンパイア俳優としても知られるジョン・キャラダインもリストアップされていたが、病床にあったと云うキャラダイン(本作公開の翌年88年11月に死去)へのオファーも出されずじまいに終わっている。余談だが、祖父の役を演じるバーナード・ヒューズとフロッグ兄弟の1人を演じるコリー・フェルドマンは、同一の7月16日と云う誕生日。
意味あり気な祖父の台詞で幕を下ろすこのシナリオは、その実、クランクインの最中より続編の企画も進行していた。壮絶な最期を遂げるヴァンパイアたちの中で只一人、素顔のままで安らかに息を引き取るデイヴィッドだが、これは、"Lost Girls"と云うタイトルで着手されていたと云うその続編のシナリオを示唆していたもの。ちなみに、本作の"Lost Boys"と云うタイトルは、あの決して歳を取らない永遠の命を持つキャラクターのもとに大勢の子供たちが迷い込む「ピーターパン」のシナリオを指したもの。
エコー・アンド・ザ・バニーメンのカヴァーによるドアーズの"Peoples Are Strange"も80年代の多様なファッショナリズムを象徴する印象的なナンバーとして挿入されているが、エンドクレジットを飾るロジャー・ダルトリー(フーのヴォーカル)の"Don't Let The Sun Go Down On Me"もなかなか感動的。半ヴァンパイアのマイケルにヴァンパイアとしての猟奇的な性を知らしめる為に殺戮に及ぶデイヴィッドたちだが、その背景に挿入されるRUN-D.M.C.のカヴァーによるエアロの"Walk This Way"(邦題は「お説教」)もその名の通り実に効果的だった。尚、"Walk This Way"はサントラ未収録、劇中ではINXSのライヴ・パフォーマンスも楽しめる。
遊園地で絡まれたカップルが後に餌食にされる直前、その男の方がフロッグ兄弟のコミックブック店から本を万引きすると云うカットも、ティーンが殺害されるカットに向けられた倫理性を正当化するような伏線的な場面だが、そのレイティングも考慮された映像とコミカルなアプローチの均衡も取られる中、寸鉄での凄みとスピード感溢れる絶妙なカメラワークで見せる迫力の演出は特筆に価するもの。結果的にはR指定になってしまった作品だが、あのデイヴィッドたちによるハンティングシーンの重要性を考慮すれば仕方のない所。空前のド迫力SFXと粋なスクリプトで見せる80年代の傑作ヴァンパイア作品「フライトナイト」とも違い、あのオムニバス楽曲にも象徴される80年代を当代の感覚で体現する傑作。スリムだった頃のダイアン・ウィーストはもとより、ロン毛でイケメンだったジェイソン・パトリックの映像は何気に貴重。ハスキー犬の「ナヌーク」もメチャクチャ可愛い。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
ジョエル・シュマッカー
Joel Schumacher
セント・エルモス・ファイアー St. Elmo's Fire
評決のとき A Time to Kill
8mm 8MM
フォーン・ブース Phone Booth
ヴェロニカ・ゲリン Veronica Guerin
オペラ座の怪人 The Phantom of the Opera
製作
Produced by
ハーヴェイ・バーンハード
Harvey Bernhard
オーメン The Omen
レディホーク Ladyhawke
グーニーズ The Goonies
製作総指揮
Executive Producer
リチャード・ドナー
Richard Donner
オーメン 最後の闘争 The Final Conflict
レディホーク Ladyhawke
グーニーズ The Goonies
リーサル・ウェポン Lethal Weapon
原案
Story by
ジャニス・フィッシャー
Janice Fischer
* 脚本も兼任
ジェームズ・ジェレミアス
James Jeremias
脚本
Screenplay by
ジャニス・フィッシャー
Janice Fischer
* 原案を考案
ジェームズ・ジェレミアス
James Jeremias
ジェフリー・ボーム
Jeffrey Boam
ストレート・タイム Straight Time
デッドゾーン The Dead Zone
インナースペース Innerspace
撮影
Cinematography by
マイケル・チャップマン
Michael Chapman
タクシードライバー Taxi Driver
レイジング・ブル Raging Bull
3人のゴースト Scrooged
サスペクト・ゼロ Suspect Zero
編集
Edited by
ロバート・ブラウン
Robert Brown
オーメン2 ダミアン Damien: Omen II
悪魔の棲む家 The Amityville Horror
ポリスアカデミー Police Academy
美術
Production Design by
ボー・ウェルチ
Bo Welch
ビートルジュース Beetle Juice
ウルフ Wolf
バードケージ The Birdcage
衣装
Costume Design by
スーザン・ベッカー
Susan Becker
ビジョン・クエスト 青春の賭け Vision Quest
セント・エルモス・ファイアー St. Elmo's Fire
フラットライナーズ Flatliners
音楽
Music by
トーマス・ニューマン
Thomas Newman
ジャンピン・ジャック・フラッシュ Jumpin' Jack Flash
レス・ザン・ゼロ Less Than Zero
ネイキッド・タンゴ Naked Tango
ザ・プレイヤー The Player
ジョー・ブラックをよろしく Meet Joe Black
挿入曲
Various Music
Lost In The Shadows (The Lost Boys) - Lou Gramm
Good Times - INXS and Jimmy Barnes
Laying Down The Law - INXS and Jimmy Barnes
Don't Let The Sun Go Down On Me - Roger Daltrey
Peoples Are Strange - Echo and The Bunnymen
Cry Little Sister (Theme From The Lost Boys) - Gerard McMann
I Still Believe - Tim Cappello
Power Play - Eddie and The Tide
Beauty Has Her Way - Mummy Calls
Walk This Way - RUN - D.M.C.
Ain't Got No Home - Clarence "Frogman" Henry
Groovin' - The Rascals
Some Other Day - (Written by) Danny Gould
Crazy Old Soldier - Troy Seals
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ジェイソン・パトリック
Jason Patric
Michael Emerson 太陽の7人 Solarbabies
レッド・アフガン The Beast of War
スリーパーズ Sleepers
スピード2 Speed 2: Cruise Control
NARC ナーク Narc
アラモ The Alamo
コリー・ハイム
Corey Haim
Sam Emerson 家族の絆 Firstborn
死霊の牙 Silver Bullet
ルーカスの初恋メモリー Lucas
ダイアン・ウィースト
Dianne Wiest
Lucy Emerson フットルース Footloose
恋におちて Falling in Love
カイロの紫のバラ The Purple Rose of Cairo
バードケージ The Birdcage
バーナード・ヒューズ
Barnard Hughes
Grandpa 真夜中のカーボーイ Midnight Cowboy
トロン Tron
結婚しない族 Best Friends
ドク・ハリウッド Doc Hollywood
エドワード・ハーマン
Edward Herrmann
Max イルカの日 The Day of the Dolphin
華麗なるギャツビー The Great Gatsby
ベッツィー The Betsy
アビエイター The Aviator
キーファー・サザーランド
Kiefer Sutherland
David ロンリー・ブラッド At Close Range
スタンド・バイ・ミー Stand by Me
ヤングガン Young Guns
フラットライナーズ Flatliners
ジェイミー・ガーツ
Jami Gertz
Star クイックシルバー Quicksilver
クロスロード Crossroads
レス・ザン・ゼロ Less Than Zero
ツイスター Twister
コリー・フェルドマン
Corey Feldman
Edgar Frog 13日の金曜日・完結編
 Friday the 13th: The Final Chapter
グーニーズ The Goonies
スタンド・バイ・ミー Stand by Me
ジェイミソン・ニューランダー
Jamison Newlander
Alan Frog ブロブ 宇宙からの不明物体 The Blob
ブルック・マッカーター
Brooke McCarter
Paul 新トワイライト・ゾーン The Twilight Zone (tv)
ベルーシ ブルースの消えた夜 Wired
ビリー・ワース
Billy Wirth
Dwayne ウォー・パーティ War Party
ボディ・スナッチャーズ Body Snatchers
ボーイズ・オン・ザ・サイド Boys on the Side
アレクサンダー・ウィンター
Alexander Winter
Marko スーパー・マグナム Death Wish 3
ビルとテッドの大冒険 Bill & Ted's Excellent Adventure
ビルとテッドの地獄旅行 Bill & Ted's Bogus Journey
チャンス・マイケル・コービット
Chance Michael Corbitt
Laddie Thompson  
アレクサンダー・
ベーコン・チャップマン
Alexander Bacon Chapman
Greg コールドヒート Cold Heat
キックボクサー2 Kickboxer 2: The Road Back
ロケッティア The Rocketeer
ノリ・モーガン
Nori Morgan
Shelly 世にも不思議なアメージング・ストーリー
 Amazing Stories (tv)
カーフュー 戦慄の脱獄囚 Curfew
コディ
Cody
Nanook
(dog)
* サムの愛犬として登場するハスキー犬
Legend of the Spirit Dog (1997)
邦題タイトル一覧 Domestic Title List
原題タイトル一覧 Original Title List
製作年度別一覧 Production Year's List
キーワード別一覧 Various Categories
リンクのページ Excellent Links
サイト掲示板 bbs
管理人の部屋 Webmaster
更新履歴 Update - Blog

作品のチラシ画像 Here's Flyer Images
作品のチラシ画像 Here's Flyer Images
現時点で入手が可能な
作品の関連アイテム
トップページへ Go To The Top Page 邦題リストへ Go To The Domestic Title List 原題リストへ Go To The Original Title List 製作年度別リストへ Go To The Production Year's List キ-ワード別一覧へ Go To The Various Categories
Copyright Flyer's Nostalgia - Authored by clockrestorange
All trademarks and copyrights on this page are owned by their respective owners.