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Reservoir Dogs
レザボア・ドッグス (1992) USA 99min.
Introduction 序盤アウトライン
ロサンゼルス。ロス警察が長年マークする窃盗団の大元締め「ジョー」とその息子エディの指揮の下、それぞれに互いの素性も知らぬ6人編成の実行グループが白昼の宝石卸商を襲撃、それは僅か2分間で片付く仕事のはずだったが、その襲撃から僅か1分間後にして武装警官の包囲網に曝された面々は、その想定外の展開に一目散での逃走を余儀なくされてしまう。やがて、逃走車強奪の際に瀕死の重傷を負った「オレンジ」と実行グループのリーダー格的存在の「ホワイト」、警察の追撃を辛くも逃れた「ピンク」、襲撃現場を修羅場に変えた凶悪な男「ブロンド」の4人が集合場所の倉庫に辿り着く中、一味に潜入する何者かが犯行の情報をリークしていたと云う事実が浮上する。やがて、それぞれの言い分に終始する面々は、疑心暗鬼の状態での混乱を余儀なくされるのだがーー
Various Note メモ
宝石店襲撃と云うヤマを踏んだ窃盗団がその犯行を失敗に導いた謎のスパイによって翻弄される様をヴィヴィッドに描き出すシナリオ。序盤からスポットを当てられるスパイ探しと云う大ネタもその中盤にして明らかにされてしまうが、それぞれのバックボーンを回想する粋なシークエンス編集と怒涛のバイオレンス描写も相俟って、その未曾有の緊張感も最後の最後まで継続されている。個人的には、午前1時頃から開始する深夜枠での衛星放送で偶然観た作品だったが、触りをかじった後に床に着ければと云ったスタンスも否応なしに糺された衝撃作だった。ちなみに「レザボア・ドッグス」と云うタイトルは、87年の"Au revoir les enfants"と云うフランス映画と71年のペキンパー監督作品「わらの犬」"Straw DOGS"からインスパイアされたもの。
凡庸なウィットを小馬鹿にするようなタランティーノの毒気も、「ライク・ア・ヴァージン」「パパ・ドント・プリーチ」「トゥルー・ブルー」と云ったマドンナの曲名が交錯する冒頭のダイアローグから炸裂、ウェイトレスへのチップを拒むピンク(スティーヴ・ブシェミ)が他愛もない言い訳を繰り返す台詞に至っては、正に定型サイズの冒頭シークエンスを想定外のサイズに拡張しているもので、その斬新なグルーヴ感には無条件で降参と云った所。ちなみに、そのチップを拒むピンクを演じたスティーヴ・ブシェミは、後年の「パルプ・フィクション」ではウェイター役で登場。また、「ライク・ア・ヴァージン」についての独自の解釈をスクリプトで披露したタランティーノに対して、後に「エロティカ」をリリースしたマドンナは、「ライク・ア・ヴァージン」はディックについての歌ではなく愛の歌ですと云ったサインを添えた「エロティカ」のCDをタランティーノに寄贈している。
タランティーノ(劇中では「ブラウン」として登場)が演じるプランもあったと云う「ピンク」役のスティーヴ・ブシェミだが、そのオーディションでは「ホワイト」役だったもので、クリストファー・ウォーケンやジョージ・クルーニーの辞退によって「ブロンド」役を演じるマイケル・マドセンが「ピンク」役のオーディションを受けていた。また、オレンジの配役を巡っては、ジェームズ・ウッズやサミュエル・L.ジャクソンも絡んでいたもので、TVシリーズ「X-ファイル」の大ヒットによって後に大ブレークするデイヴィッド・ドゥカブニーもオーディションに参加していたらしい。劇中のスクリプトでは05年に映像化される「ファンタスティック・フォー」(日本語テロップでは「宇宙忍者ゴーレム」と翻訳)の「シング」と形容されるローレンス・ティアニーだが、その彼が演じるジョー役のオーディションにはロバート・フォスターも参加していた。
冒頭シークエンスでミスター・ブルーを演じるエディ・バンカーは、その犯罪者としての自らの半生を基に投獄中に書き下ろした著書がホフマン主演の「ストレート・タイム」として映像化(自身も出演)された事でも有名な人物だが、そのバンカーに限らず、カイテルを始めとする本作で犯罪者を演じる面々は、皆一様に投獄された経験を持つ顔ぶれだったらしい。ただ、その詳細は定かではないものの、その殆どは「投獄」とは呼べぬような一夜限りの「拘留」と云ったニュアンスの事実だとは思うのだが。
スポンサーを得る為に暴力シーンは最後に撮影するように手配したと云う製作のローレンス・ベンダーだが、ハーヴェイ・カイテルの人脈で150万ドルの予算は得ていたものの、自前の衣装で臨んでいたと云うキャストの面々、自前のキャデラックを使用するマイケル・マドセン、オレンジの部屋として登場するロケーションも実は、かつては死体置き場だったと云うあの倉庫建物の2階で撮影されたものと、そのプロダクションの財政状況は非常に厳しいものだった。プロモーションなしにも等しい形で行われたと云う初公開時の全米では然るべき形での興行収益に終わっているが、英国ではタランティーノが歩けば人だかりを生むほどのヒットを記録している。間もなくして、メディアの大ヒットと口コミの噂によって後年の全米でも未曾有のヒットを記録する訳だが、一人一人にスポットを当てる多種類の宣材ポスターなどが主流となった昨今のムーヴメントも、実はヨーロッパの配給会社が本作で試みた所から始まったものだった。
警官を拷問するシーンでは強烈な印象を残すマイケル・マドセンだが、拷問される最中で「小さな子供がいる」と語る警官のセリフは、警官を演じたカーク・ボルツによる即興だったもので、実は現実の私生活で父親となったばかりだったマイケル・マドセンは、その演技を全うする事にもかなりの困難を余儀なくされていたらしい。マドセンのファンにしてみれば安堵のため息と云った所だが、ちなみに、映像ではサイコパスなキャラクターに終始、そのスクリプトでも襲撃先の宝石店では殺戮に終始したと語られるマイケル・マドセン演じる「ブロンド」は、その現実の映像では一度も殺人を犯していない。
エンドクレジットでは、タランティーノがサンダンスのワークショップで世話になったと云う「未来世紀ブラジル」や「フィッシャー・キング」のテリー・ギリアムにも感謝の意が表されているが、サンダンスのワールドプレミアで公開された本作の最終カットがそのサンダンスに届けられたのも上映日の僅か3日前だった。06年、"Empire Magazine"によって実施された投票では、過去15年で最も影響力のあったインディ系作品として表彰されている。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
脚本と監督
Written & Directed by
クエンティン・タランティーノ
Quentin Tarantino
パルプ・フィクション Pulp Fiction
フォー・ルームス Four Rooms
ジャッキー・ブラウン Jackie Brown
キル・ビル Kill Bill: Vol. 1
キル・ビル Vol.2 Kill Bill: Vol. 2
シン・シティ Sin City (special guest director)
製作
Produced by
ローレンス・ベンダー
Lawrence Bender
パルプ・フィクション Pulp Fiction
フォー・ルームス Four Rooms
ジャッキー・ブラウン Jackie Brown
キル・ビル Kill Bill: Vol. 1
キル・ビル Vol.2 Kill Bill: Vol. 2
製作総指揮
Executive Producer
リチャード・N・グラッドスタイン
Richard N. Gladstein
ジャッキー・ブラウン Jackie Brown
サイダーハウス・ルール The Cider House Rules
ボーン・アイデンティティー The Bourne Identity
ロナ・B.ウォーレス
Ronna B. Wallace
ボブ★ロバーツ 陰謀が生んだ英雄 Bob Roberts
プレイデッド The Young Americans
モンテ・ヘルマン
Monte Hellman
魔の谷 Beast from Haunted Cave
銃撃 The Shooting
断絶 Two-Lane Blacktop
K-Billy DJによる
ラジオ・ダイアローグ
Background
radio dialog
クエンティン・タランティーノ
Quentin Tarantino
* 脚本/監督/出演も兼任
ロジャー・エイヴァリー
Roger Avary
パルプ・フィクション Pulp Fiction
キリング・ゾーイ Killing Zoe
クライング・フリーマン Crying Freeman
撮影
Cinematography by
アンジェイ・セクラ
Andrzej Sekula
パルプ・フィクション Pulp Fiction
フォー・ルームス Four Rooms
ザ・ブレイク A Further Gesture
アメリカン・サイコ American Psycho
CUBE2 Cube 2: Hypercube(監督も兼任)
編集
Edited by
サリー・メンケ
Sally Menke
パルプ・フィクション Pulp Fiction
フォー・ルームス Four Rooms
ジャッキー・ブラウン Jackie Brown
キル・ビル Kill Bill: Vol. 1
キル・ビル Vol.2 Kill Bill: Vol. 2
美術
Production Design by
デイヴィッド・ワスコ
David Wasco
パルプ・フィクション Pulp Fiction
ジャッキー・ブラウン Jackie Brown
キル・ビル Kill Bill: Vol. 1
キル・ビル Vol.2 Kill Bill: Vol. 2
衣装
Costume Design by
ベッツィ・ヘイマン
Betsy Heimann
ハイ・ロード High Road to China
エルヴァイラ Elvira, Mistress of the Dark
パルプ・フィクション Pulp Fiction
音楽監修
Music supervisor
カリン・ラクトマン
Karyn Rachtman
パルプ・フィクション Pulp Fiction
デスペラード Desperado
フォー・ルームス Four Rooms
挿入曲
Various Music
Little Green Bag - George Baker
Hooked On A Feeling - Blue Suede
I Gotcha - Joe Tex
Magic Carpet Ride - Bedlam
Fool For Love - Sandy Rogers
Stuck In The Middle With You - Stealers Wheel
Harvest Moon - Bedlam
Coconut - Harry Nilsson
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ハーヴェイ・カイテル
Harvey Keitel
Mr. White
Larry Dimmick
* 共同製作も兼任
ミーン・ストリート Mean Streets
アリスの恋 Alice Doesn't Live Here Anymore
タクシードライバー Taxi Driver
マッド・フィンガーズ Fingers
SFデス・ブロードキャスト(未) La mort en direct
スペース・サタン Saturn 3
恋におちて Falling in Love
テルマ&ルイーズ Thelma & Louise
バグジー Bugsy
ティム・ロス
Tim Roth
Mr. Orange
Freddy Newandyke
コックと泥棒、その妻と愛人
 The Cook the Thief His Wife & Her Lover
ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ
 Rosencrantz & Guildenstern Are Dead
ゴッホ Vincent & Theo
パルプ・フィクション Pulp Fiction
海の上のピアニスト La leggenda del pianista sull'oceano
マイケル・マドセン
Michael Madsen
Mr. Blonde
Vic Vega
ウォー・ゲーム WarGames
ナチュラル The Natural
もういちど殺して Kill Me Again
ドアーズ The Doors
テルマ&ルイーズ Thelma & Louise
フリー・ウィリー Free Willy
クリス・ペン
Chris Penn
Nice Guy
Eddie Cabot
ランブルフィッシュ Rumble Fish
フットルース Footloose
ペイルライダー Pale Rider
ロンリー・ブラッド At Close Range
モブスターズ 青春の群像 Mobsters
スティーヴ・ブシェミ
Steve Buscemi
Mr. Pink ミステリー・トレイン Mystery Train
ミラーズ・クロッシング Miller's Crossing
キング・オブ・ニューヨーク King of New York
バートン・フィンク Barton Fink
ローレンス・ティアニー
Lawrence Tierney
Joe Cabot グロリア Gloria
ミスター・アーサー Arthur
女と男の名誉 Prizzi's Honor
2 days トゥー・デイズ 2 Days in the Valley
アルマゲドン Armageddon
ランディ・ブルックス
Randy Brooks
Holdaway 怒りを胸にふり返れ! Halls of Anger
800万の死にざま 8 Million Ways to Die
カラーズ 天使の消えた街 Colors
カーク・ボルツ
Kirk Baltz
Marvin Nash アメリカン・ストーリーズ 食事・家族・哲学
 Histoires d'Amérique
ダンス・ウィズ・ウルブズ Dances with Wolves
ナチュラル・ボーン・キラーズ Natural Born Killers
エディ・バンカー
Eddie Bunker
Mr. Blue ストレート・タイム Straight Time(原作の著者)
暴走機関車 Runaway Train(脚本も兼任)
デッドフォール Tango & Cash
ロンゲスト・ヤード The Longest Yard (2005)
クエンティン・タランティーノ
Quentin Tarantino
Mr. Brown * 脚本と監督も兼任
ジョニー・ディスティニー(未) Destiny Turns on the Radio
デスペラード Desperado
ガール6 Girl 6
フロム・ダスク・ティル・ドーン From Dusk Till Dawn
リトル★ニッキー Little Nicky
スティーヴン・ライト
Steven Wright
K-Billy DJ
(voice)
マドンナのスーザンを探して Desperately Seeking Susan
コールド・ブラッド 殺しの紋章(未) Men of Respect
ナチュラル・ボーン・キラーズ Natural Born Killers
ローレンス・ベンダー
Lawrence Bender
Young cop * 製作も兼任
スザンヌ・セレステ
Suzanne Celeste
Shot woman ・ロス訛りのダイアローグコーチとして製作に参加
 94年の「リトル・オデッサ」でもティム・ロスに
 ダイアローグをコーチ
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