| Introduction 序盤アウトライン: |
| アルバム「シンクロニシティ」のリリース後、活動休止状態にあった「ポリス」の面々は、それぞれのソロ活動に突入していた。「ランブルフィッシュ」のサントラで脚光を浴びたスチュワート・コープランドや「2010年」のサントラでスポット客演を果したアンディ・サマーズらがその音楽活動の幅を広げる中、「ブライド」「砂の惑星」「プレンティ」と云う劇場長編作品で役者としての可能性を模索していたスティングだったが、そのミュージシャンとしての類稀なきポテンシャルが遂に始動、それは、新進気鋭の若手奏者を従えてのジャズの方法論による新たなメッセージの発信だったーー |
| Various Note メモ: |
| ポリスの活動に実質的終止符を打った後、1stソロ「ブルー・タートルの夢」のリリースに併せて行われた世界ツアーを大成功のうちに終えたスティング。その実質的出発点となった田園地方のクルソン・シャトーでのリハーサルと85年5月29日のパリ公演を収録したフッテージ作品。アルバムリリース時の同年2月25日、ニューヨークのリッツでこけら落としのギグを既に行っていたバンドだが、一定人員を収容出来る小屋ばかりをターゲットにしたツアーでのパフォーマンスに備えるべくさまざまなアレンジをチェックするここでの様子は本物で、そのフィルムの約半分を占めるリハの模様は、5月29日のパリ公演に勝るとも劣らず面白い。最盛期か解散時の姿を捉えるものが殆どだった過去さまざまなバンドのフッテージフィルムに対し、自分はその誕生の瞬間を捉えたかったと語るスティングのコメントも興味深い。 |
トゥルーディの出産に立ち会い涙するスティング(BGMは「ラシアンズ」)やマルサリスを始めとするサイドメンのタフで飄々としたコメントも楽しいが、バンドのマネージャを務める元ポリスのスチュワートの兄マイルスの赤裸々で辛辣なコメントは必見。ギャラのつり上げを要求するサイドメンたちを一蹴するコメントも然る事ながら、後に数多くの大作で名声を得る衣装デザイナーのコリーン・アトウッドを向こうに回しての押し問答は超傑作。暗い照明にダークなコントラストの衣装は映えないと云うマイルスの意見も極めて的を得たものだが、このシークエンスの挿入は、予測し難いオーディエンスの反応に苦悩するプロダクションの姿を浮き彫りにする絶妙な演出だったと云える。
劇中全ての挿入曲は以下の通り。 |
フィルムの前半:
田園地方クルソン・シャトーでの城内で行われたリハの模様を収録
Bring on the Night
If You Love Somebody Set Them Free
Low Life
Fortress Around Your Heart
Love is the Seventh Wave
Meet the Flintstones
* スティングを茶化すメンバーたちによる即興。
Another Day
New York, New York
* マルサリスとジョーンズのデュオアカペラ
Shadows in the Rain
Concider Me Gone
Driven To Tears
The Dream of the Blue Turtle
* カメラマンのマックスにスポットを当てるシークエンスのBGMだが、
演奏はリハ時に収録したもので、スタジオヴァージョンではない。
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フィルムの後半:
1985年5月29日、パリでの公演をダイジェスト収録。
Shadows in the Rain
Fortress Around Your Heart
We Work the Black Seam
* クルソン・シャトーでのシークエンスとの合成
I Burn For You
* 終盤のルーティンでは、オマー・ハキムのドラムをフィーチャー
Children's Crusade
* クルソン・シャトーでのシークエンスとの合成
Need Your Love So Bad
Roxanne
Russians
Down So Long (aka "I Been Go So Long")
If You Love Somebody Set Them Free
Demolition Man
Message in a Bottle
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| 後に2枚組みのアイテム(LPもCDも)としてリリースされるオーディオ版の"Bring on the Night"だが、上記のセットリストで重複しているのは、"Down So Long"1曲だけ。オーディオ版には上記5月29日のパリ公演から"Concider Me Gone"も収録されているが、フィルムの方に収録されたのは、リハの際に収録された"Concider Me Gone"だけ。ちなみに、オーディオ版の"Bring on the Night"は、5月29日のパリ公演以外、全てのセットリストが年末から翌年(86年)初頭にかけてのツアーレグ(12月4日ローマ、12月21日オランダ・アーネム、12月23日のパリ)で固められている。つまり、パリに始まりパリに終えるオムニバス音源だったと云う事だが、以下は、その年末から翌年にかけて行われたツアー時の演奏曲順でのセットリスト。 |
Shadows in the Rain
Driven To Tears
Band intro.
Concider Me Gone
Children's Crusade
One World (not three) including "Love is the Seventh Wave"
Bring on the Night
When the World is Running Down, You Mkae the best of Still Around
We Work the Black Seam
Another Day
Moon Over Bourbon Street
Fortress Around Your Heart
I Burn For You including "Omar Hakim's solo"
If You Love Somebody Set Them Free
Roxanne
Down So Long (aka "I Been Go So Long")
Tea in the Sahara
Every Breath You Take
Need Your Love So Bad
The Dream of the Blue Turtle
Demolition Man
Message in a Bottle
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| ロケーションによっては若干の違いもあったと思われる上記セットリストだが、手元にあるオーディエンス録音の2つの音源(12月6日イタリア・ミラノ、12月20日フランス・リール)は同一で、86年1月のロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)では、ロクサーヌの次に"Russians"もプレイされている。ちなみに、その"Russians"は86年2月25日の第28回グラミー授賞式(LAのシュライン・オーディトリアム)のオープニングで演奏されているが、あの弦楽を交えたパフォーマンスには、マルサリスやジョーンズ、カークランドやハキムと云ったツアーをサポートしていた面々も参加、ティンパニをプレイするハキムの姿や緊張を露にするスティングの姿など極めて貴重なものだった。 |
| 映像フッテージとしてリリースされた本作「ブルー・タートルの夢」はもとより、各ツアー音源にも共通して言える事だが、"I Burn For
You"でフィーチャーされるオマー・ハキムのタイコのパフォーマンスは凄かった。オーディオ版の"Bring on the Night"では未収録だった"Fortress
Around Your Heart"のライヴ映像も貴重。アルバム最後の収録曲ながらも、シングルカットもされ大ヒットを記録した"Fortress
Around Your Heart"だが、そのリリカルな印象のスタジオヴァージョンとは違うダリル・ジョーンズのスラップもフィーチャーしたパフォーマンスは必見。 |
| 2ndソロ"...Nothing Like The Sun"を経た3枚目の"The Soul Cages"や4枚目の"The
Summoner's Tales"では、あのヴィニー・カリウタ(ジノ・ヴァネリやリトナーとも競演したタイコ)との競演も果すスティングだが、その業界の中でもリスペクトされる玄人のポテンシャルを最大限引き出す才能と云うのも、本作「ブルー・タートルの夢」のユニットを原点にしていたものだった。単なる音楽系の記録映像にはとどまらないこの作品、アプテッドの演出はもとより、撮影のラルフ・D.ボードや編集のメルヴィン・シャピーロ、そして、美術のフェルディナンド・スカルフィオッティなど名匠の手によるものだったと云う事も記憶に留めて置きたい所。 |