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The Brave One
ブレイブ ワン (2007) USA / Australia 122 min.
Introduction 序盤アウトライン
ニューヨーク。ラジオの人気DJエリカは、恋人との結婚も間近に控え充実の日々を過ごしていた。「世界一安全な都市」でのシティライフは、エリカにとってはこの上なく心地よいものだったが、そんなある日、恋人と一緒に愛犬の散歩に出掛けたエリカを悲劇が襲う。3人組の暴漢に襲われたエリカは、自らも瀕死の重傷を負う中、恋人を撲殺されてしまったのだった。やがて3週間の昏睡状態から覚醒する中、おざなりの警察捜査を目の当たりにしたエリカの中で何かが弾けようとしていたーー
Various Note メモ
法社会の掟を破る力の正義の是非を問う1本。原案は「密殺集団 (1983)」「ネイルズ (1992)」「アメリカン・アウトロー (2001)」のロデリック・テイラー (Roderick Taylor)と数本のTVドラマでもロデリックとコンビを組んだブルース・A・テイラー (Bruce A. Taylor)。脚本は、ロデリック・テイラー+ブルース・A・テイラー、そして「ふたりは友達? ウィル&グレイス」のシンシア・モート (Cynthia Mort)。監督は「殺人天使 (1982)」「クライング・ゲーム (1992)」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (1994)」「ギャンブル・プレイ (2002)」のニール・ジョーダン (Neil Jordan)。
主演は「告発の行方 (1988)」「羊たちの沈黙 (1990)」「リトルマン・テイト (1991) (also director)」「インサイド・マン (2006)」のジョディ・フォスター (Jodie Foster)。共演は「クラッシュ (2004)」「Ray レイ (2004)」「ハッスル&フロウ (2005)」のテレンス・ハワード、「デス・プルーフ in グラインドハウス (2007)」「プラネット・テラー in グラインドハウス (2007)」のニッキー・カット、「プラネット・テラー in グラインドハウス (2007)」のナヴィーン・アンドリュース、「タイム・アフター・タイム (1979)」「ギルバート・グレイプ (1993)」「インランド・エンパイア (2006)」のメアリー・スティーンバージェン、「エターナル・サンシャイン (2004)」「リトル・チルドレン (2006)」のジェーン・アダムス、「幸せのレシピ(2007)」のゾーイ・クラヴィッツ、他。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
物語の主人公は、理不尽な暴力でフィアンセを奪われたラジオDJのエリカ(ジョディ・フォスター)。警察捜査に絶望したエリカは、不法入手した一丁の自動拳銃で街に蔓延る悪の討伐を開始、やがて迎えるクライマックスでは憎き相手への復讐もキッチリ果たして幕を下ろす内容だが、往年のファンとしては、女カージーとでも呼びたくなるここでの主人公ながらも、そもそものテーマに於ける大きなギャップに驚かされる。同じNYを舞台に主人公が妻子の敵討ちに奔走する74年の「狼よさらば」の場合、結論として公には司法制度も度外視の主人公の行為を肯定していたわけではなく、犯罪増加傾向にあった法社会での不条理にスポットを当てるだけに止まっていたと云う事。実際、筋書きの方でも、肝心の加害当事者たちへの復讐は果たせない主人公カージーだが、一方、その主人公を追う刑事も法を度外視するカージーの行為は決して肯定していない。まぁ、泥沼化する「ロサンゼルス」以降の続編ではプロットもヘチマもなくなるわけだが、そもそもの話、"Death Wish"と云うシリーズは74年の1話で完結していた社会派作品で、80年代以降のシリーズは、商業ベースに乗せられたエンタメ路線のB級活劇。
もとい、74年の「狼よさらば」を引き合いに出せば、刑事が偽装殺人の手引きをするここでのクライマックスは、起承転結で幕を下ろすややもすれば凡庸なエンタメ的なノリ。悩める主人公による法制度を度外視しての勧善懲悪はアメコミのそれとも何ら変わりなかったりもするが、正直、人間の人間による人間のための怒涛の復讐劇にはカタルシスを覚えたのも確か。ただ、ややこしかったのは、主人公が成敗する悪人らは、コンビニでの射殺犯を除けば、何れも丸腰だったと云う辺り。善人だけが銃を振りかざせるのであれば、それはある意味理想的なのかもしれないが、現実にはほぼその逆。恨み辛みの話にでもなれば、善悪の基準なども介在しなくなる。そんな銃社会での現実に照らし合わせれば、さまざまな思惑なども見え隠れするここでのシナリオだが、何れにせよ、ベテラン刑事(テレンス・ハワード)が主人公を手助けするクライマックスはあまりに衝撃的。ベテラン刑事が法社会の不条理に苛む伏線的なモチーフも確かに効果的だったが、それにしても、あの刑事が主人公を飄々と手助けするクライマックスなど誰が予測出来ただろうか。ドラマ的には屈託なく面白かったのも確かで、カタルシスを覚えたのも確かなのだが、要は歯止めも効かなくなると云う話。現実とは全く別次元のアメコミ路線ならともかく、これは現実の社会を舞台に非力な人間だけを躍動させるリアル調のサスペンス。マジな調子で危惧する方々なども決して少なくはなかったはず。
暴行や殺人が横行していた70年代当時とは異なり、現代のNYを舞台にしていた辺りも「狼よさらば」とは印象も大きく異なる物語だが、その実、原案とシナリオを手掛けたロデリック・テイラーは、83年の「密殺集団」でも一石を投じていた人物。ここでは他2名との共同執筆ながらも、大方の内容はロデリック・テイラーが手掛けていたのではないだろうか。それにしても、21世紀のここに来ていきなりの私設復讐劇の復活には驚かされるが、これも増大する凶悪犯罪に辟易していた70年代当時とは異なり、米国の国民にとってはある種のフラストレーションのはけ口だったのかも。国家主導による偽りの正義を中東で見せられ続ける中では、良くも悪くもヴィヴィッドな映像だったに違いない。
それにしても、ニール・ジョーダンが演出を快諾したのもやや不思議。「殺人天使 (1982)」「クライング・ゲーム (1992)」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (1994)」「マイケル・コリンズ (1996)」など悩める主人公の孤高のヒロイズムをネタにするシナリオはジョーダンの真骨頂にも違いないが、その実、ここで取ったのもメガホンのみ。しかもこれは、バリバリのアメリカ映画だったりするが、やはりこれも銃の規制問題や対外政策へのジョーダン自身が抱える米国への不満に端を発していたのかも。個人的には、レスタトが空中から見下ろすようなファンタスティックなヘリのショットやレニー・クラヴィッツの娘ゾーイのパフォーマンスなどミーハーな感覚でも充分に楽しめたが、ここまで破天荒な筋書きにして英国人のジョーダンがメガホンを取った舞台裏には色々あったように思えてならない。それにしても、レニー・クラヴィッツの娘ゾーイは親父にソックリ。いっそ親父のレニーもペアで登場してくれれば、音楽ミーハーな個人的にはメチャ嬉しかったのだが。



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