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No Man's Land
ノー・マンズ・ランド (2001)
Bosnia-Herzegovina / Slovenia / Ita. / Fra. / UK / Bel. 98min.
Introduction 序盤アウトライン
1993年6月、ボスニア。深い霧に覆われた深夜、ボスニアとセルビアの両軍が一進一退の攻防を展開する中立地帯「ノー・マンズ・ランド」に、ボスニア軍の見張りの交代班が迷い込んでしまう。夜明けと同時に開始された一斉攻撃によって次々と兵員が倒れる中、唯一の生存者となったチキは、両軍が睨み合う中でエアポケット化していた塹壕に身を潜めていた。ただ単に迷い込んだが故に、中立地帯での犠牲となってしまったボスニア兵たちだったが、その予期せぬ動きに違和感を覚えたセルビア軍司令部は、無人と化しているはずの塹壕を偵察すべく、熟練兵と新兵ニノの2名を送り出す。塹壕に辿り着いた2人は、用意していた地雷をボスニア兵の死体に覆い隠す形で設置、それは、死体を動かした瞬間に雷管が1メートル飛び上がり、45メートル四方に弾丸を撒き散らすと云う残虐極まりのない性能を備えた地雷による無慈悲なトラップだった。やがて、その一部始終を塹壕内の簡易兵舎で目撃していたボスニア兵のチキが2名を銃撃、熟練兵が仕留められる中、腹部への被弾だけで助けられたニノは、軍服を脱がせたトランクス姿で旗を振ると云う両陣営へのアピールを強要されるが、自軍の兵士と確認出来なかったセルビア軍による砲撃を受けてしまう。そんな中、死体だと思われていたボスニア兵が凶悪な地雷を背にしたまま復活、その体を少しでも移動すれば全滅に至ると云う眼前の脅威を共有した事によって、イニシアティヴの奪い合いに終始していたチキとニノにも一時的な休戦状態が訪れる。やがて、非常事態の打開を模索する2人によって展開された旗振りアピールが功を奏し、その素性を確認しながらも、共に踏み込めぬと云う状態を迎えた両軍の要請を受ける形で国連防護軍が介入、人道的支援は行うが紛争には介入しないと云う国連の曖昧なスタンスが浮き彫りにされる中、英国人女性ジャーナリストによる世論の操作によって、ようやく救出作戦が実行されるのだがーー
Various Note メモ
絶体絶命の状況下で孤立する両軍兵士のもとに国連防護軍が例外的に介入すると云う一連の顛末を描いたシナリオだが、チキとニノと云う敵対する兵士の間で交わされる人情と憎悪が交錯するダイアローグは、正に戦争の不条理さが縮図化されたもので、その未曾有の惨状を目の当たりにしながらも手を拱くばかりと云った理不尽な国際社会の現状については、曖昧なスタンスを例外的に乗り越えて介入するまでの国連防護軍の姿によって赤裸々に描き出されている。これは正に、映像メディアによって発信された一大アイロニーとでも云うべき作品。
地雷処理班のドイツ人を目の当たりにして「一度のミスも許されない職業」と感嘆する人物に対して放たれる「既に彼は、職業の選択に於いて一度だけミスを犯している」と云ったダイアローグや、暇を持て余してエロ本読みに耽る国連軍の現場指揮官、そして、如何なる状況に於いてもスレンダーなスーツに身を包んだ美人秘書を同伴すると云う国連軍司令部責任者の姿など、折々にコミカルなモチーフも挿入されるシナリオだが、その顛末は至ってシリアス、妥協なきシビアな結末が用意されている。
肩の力を抜きながらも一気に見せられてしまうと云うこの作品、タノヴィッチ監督の非凡な才覚が発揮された事によって、広くアピールする事に於いても大成功を収めた作品だが、その終盤で「一人が躍起になっても変えられる現状ではない」と嘆く指揮官の台詞とは裏腹に、全世界に向けての反戦アピールに成功したタノヴィッチと云う一人の映像作家による功績は余り有るものだったはず。
2001年度には、カンヌ国際で監督も兼任したタノヴィッチが「脚本賞」を受賞、同年度の米アカデミー、ゴールデン・グローブ、LA批評家協会賞では「外国語映画賞」を受賞、また、仏セザールでも「新人監督作品賞」を受賞。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
脚本/監督/音楽
Written, Directed
& Music by
ダニス・タノヴィッチ
Danis Tanovic
11'09''01 セプテンバー11
 11'09''01 - September 11
美しき運命の傷痕 L'enfer
製作
Produced by
フレデリック・デュマ=ザジェラ
Frédérique Dumas-Zajdela
ビフォア・ザ・レイン Before the Rain
あの娘と自転車に乗って Beshkempir
ヘヴン Heaven
マルク・バシェ
Marc Baschet
セドミール・コラール
Cédomir Kolar
撮影
Cinematography by
ウォルター・ヴァン・デン・エンデ
Walther van den Ende
カストラート Farinelli
ネコのミヌース Minoes
銀幕のメモワール Lisa
編集
Edited by
フランチェスカ・カルヴェリ
Francesca Calvelli
蝶の夢 Il sogno della farfalla
美しき運命の傷痕 L'enfer
美術
Production Design by
ドゥシュコ・ミラヴェツ
Dusko Milavec
C100
Nel mio amore (set designer)
衣装デザイン
Costume Design by
ズヴォンカ・マクツ
Zvonka Makuc
Rabljeva freska
Varuh meje
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ブランコ・ジュリッチ
Branko Djuric
Ciki * 旧ユーゴの人気TVシリーズ"Top lista nadrealista"
 でキャリアをスタートさせたボスニア人俳優
Ilaria Alpi - Il più crudele dei giorni
Kajmak in marmelada
レネ・ビトラヤツ
Rene Bitorajac
Nino * クロアチアの人気俳優
Nebo sateliti
24 sata
Svjedoci
フイリプ・ショヴァゴヴイツチ
Filip Sovagovic
Cera * 88年から二十数本の作品に出演するクロアチア人俳優
Bogorodica
Nebo sateliti
ジョルジュ・シアティディス
Georges Siatidis
Marchand つつましき詐欺師(未) Un héros très discret
心の羽根 Des plumes dans la tête
セルジュ=アンリ・ヴァルック
Serge-Henri Valcke
Dubois 小さな目撃者 Do Not Disturb
ダウン Down
ミッションブルー Soul Assassin
サシャ・クレメール
Sacha Kremer
Michel Pâques au tison
Une fille de joie
アラン・エロイ
Alain Eloy
Pierre 王は踊る Le roi danse
ムスタファ・ナダレヴィッチ
Mustafa Nadarevic
Old
Serbian soldier
パパは、出張中! Otac na sluzbenom putu
パーフェクトサークル Savrseni krug
ボグダン・ディクリッチ
Bogdan Diklic
Serbian officer バルカン・エクスプレス(未) Balkan ekspres
サイモン・キャロウ
Simon Callow
Soft アマデウス Amadeus
フォー・ウェディング Four Weddings and a Funeral
恋におちたシェイクスピア Shakespeare in Love
カトリン・カートリッジ
Katrin Cartlidge
Jane Livingstone * 肺炎と敗血症からの合併症で02年9月7日に急逝
奇跡の海 Breaking the Waves
ホテル・スプレンディッド Hotel Splendide
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