| Introduction 序盤アウトライン: |
| 昭和三十二年一月、国際地球観測年に参加した日本が初めて建設した南極オングル島の昭和基地。海上保安庁観測船「宗谷」から降り立った11名の越冬隊員が、雌犬1頭を含む十九頭の樺太犬と共に、翌年の本観測の年を成功させる為、越冬生活を開始する事になった。十月、厳しい自然との闘いを余儀なくされていた越冬隊だったが、潮田や越智ら三名の選抜隊員と最強の十五頭による犬ぞり隊によって、往復450キロ、25日間の行程となるボツンヌーテンを踏破、その正確な位置・標高の天測と地質の調査の任務を完遂する。十二月の末、越冬任務を引き継ぐはずだった第二次越冬隊を乗せた「宗谷」が氷海に突入するが、連日の悪天候と厚い氷に阻まれた観測船は、翌年に入っても基地に近づく事が出来なかった。二月、遂に「宗谷」は、アメリカ海軍砕氷艦「バートン・アイランド号」の協力を要請するが、厳寒と悪天候の回復が望めぬ状況下でのオングル島への接近は不可能と判断、第二次越冬の中止が決定される。帰路に着く為に必要な燃料の消費が懸念される中、小型輸送機によるピストン輸送によって越冬隊員たちの搬送は辛くも完了するが、総重量で五百キロを超える十五頭の樺太犬は、鎖に繋がれたままの状態で基地に取り残される事になってしまうーー |
| Various Note メモ: |
| ニチガクことヤマハの協力の下で製作されたと云うヴァンゲリスのスコアだが、CS70などのポリシンセによる重厚なアナログサウンドも然る事ながら、ティンパニ系のアクセントによって絶妙な効果が生み出されているスコアは印象的である。今ではハラハラドキドキと云った印象のアタックのディレイする16分によるシークエンスブロック(コード)なども懐かしい。 |
| 劇場長編に参画したフジテレビによるメディアを最大限活用したPR効果で大ヒットした作品だが、大画面で鑑賞する南極大陸の光景には圧倒されたものである。葛藤する2人の主人公も然る事ながら、やはり、作品の主人公は、主観的な視点でも描き出されるリキやタロ・ジロと云った犬たちだったと思うが、終盤のテロップで表示される八頭と七頭に分ける形での十五頭の樺太犬の末路が、現実の記録を基にしたものだとすれば、誰が見ていた訳でもない為に分かるはずもない犬たちのそれぞれの顛末も、あながち想像による脚色だったと割り切れるものでもないだろう。実際に回収されたのは、生き残ったタロとジロ、そして五頭の遺体だけだったはずだが、群れを嫌う風連のクマや、行動を共にする傾向にあった犬たちの組み合わせなども記録ノートなどによって明らかにされていたとするならば、シナリオのモチーフ考案にも充分に活かされていたはずだからである。 |
| 静止画で終了するアザラシへの攻撃などは、その時点で撮影も終了されたものだったと思われるが、セット内で撮られたと思われる犬の溺死を捉えたカットなどは非常に生々しく、見ているのも辛かった。タロとジロをシャチの攻撃から守った際の怪我が致命傷となり絶命する利尻育ちのリキ(飼い主役は荻野目慶子)や、鯨の死骸の中で横たわったまま絶命するシロ(だったか?)の末路は涙を誘う。しかし、零下40度の極寒にも耐えると云う樺太犬だが、あまりにも凄すぎる。 |