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The Deer Hunter
ディア・ハンター (1978) USA 183min.
Introduction 序盤アウトライン
1968年、ペンシルバニア州クレアトン。町の製鋼所で働くマイケル、ニック、スティーヴン、スタン、アクセルら5人の仲間は、休日を利用しての鹿狩りを楽しみにすると云う平凡な若者たちだった。ある土曜日、スティーヴンとアンジェラの結婚式が執り行われた町の教会では、ベトナムに徴兵されるマイケル、ニック、スティーヴンの送迎会も合同で行なわれていた。参列者の中には、ベトナムからの帰還後にニックとの結婚を約束するリンダの姿もあった。セレモニーの後、アレゲニー山に出向いての鹿狩りを最後の想い出にベトナムへ出征した面々だったが、1970年、戦局も泥沼化の一途を辿る中、マイケルら3人は、地獄絵図のような戦場で偶然にも再会、北側に捕まった彼らを待ち受けていたのは、極限状況下での苦痛に苛まれる日々だったーー
Various Note メモ
1978年度アカデミーでは「作品賞」「監督賞」「助演男優賞(クリストファー・ウォーケン)」「音響賞」「編集賞」5部門を受賞、同年度の全米批評家協会賞では「助演女優賞(メリル・ストリープ)」を獲得。また、同年度のNY批評家協会賞では「作品賞」「助演男優賞(クリストファー・ウォーケン)」に輝いている。そして同じく同年度のゴールデン・グローブとLA批評家協会賞では、マイケル・チミノが「監督賞」を受賞。79年度の英国アカデミーでは「撮影賞」と「編集賞」の2部門を獲得。
クライマックスのRR一騎打ちの場面で、クリストファー・ウォーケンがロバート・デ・ニーロの顔につばを吐くカットは即興だったもので、劇中でのデ・ニーロの表情からもその唐突な驚きが伝わる。また、メリル・ストリープの台詞にも多くの即興を含んでいた。
度々の大雨の為にネズミが床面を泳ぎ回っていたと云うサイゴンでは、その夜間撮影の際、クルーやキャストはテーブルに上がっての避難を余儀なくされていたらしい。また、軍事政権の台頭によって、73年のタノーム首相による「血の日曜日事件」を受けて樹立されていた文民政権が崩壊した直後だったと云うタイの撮影では、その撮影クルーの安全を全面的に保障していた軍事政権によって、3人のクルーごとに武装した護衛を1人着任させると云う措置が取られていた。
ジョン・カザールが末期症状のガンだったと云う事を知っていたチミノは、カザールの収録を優先する形で撮影を進めていた。そのカザールの容態をクランクイン当初には知らされていなかったスタジオは、カザールの降板を検討し始めるが、彼の恋人だったメリル・ストリープがカザールを降板させれば自分も降板すると云うスタンスに打って出た為に、撮影は無事に完遂されている。収録を終えた直後の1978年3月12日、カザールはストリープに看取られたまま息を引き取っている。
チミノが完成させた4時間と云う試写用フィルムに懸念を示したユニヴァーサルは、監督のチミノを通さずに編集者を雇用した上で2時間ヴァージョンの編集を試みるが、テスト試写会でのオーディエンスが4時間のヴァージョンを圧倒的に支持した事から、最終的には、再び下駄を預ける形となったチミノによって編集された3時間ヴァージョンが劇場公開されている。
劇中に登場する結婚式でのコーラスの場面は、実に50回以上もの練習を経た後に収録されたものだったと云う。
プロダクションが始動した70年代中盤当時、ヴェトナムを題材にすると云う事がタブー視されていた米国での資金調達は難儀を極めるものだったが、その局面を打開出来たのも、基本となる資金面の援助を英国のEMIがいち早く保障していた為である。ユニヴァーサルが参画したのは、英国EMIの支援の下でプロダクションが軌道に乗ってからの事だった。
全てがロケーション撮影だったと云う映像だが、その素晴らしさを一言で云えば、大自然を背景に描かれた「静」と、リアリズムに満ちた極限状況下で描かれた「動」のコントラストが相容れる形で昇華している事に他ならない。ロシアン・ルーレットの幾つかの場面では、実弾が発射位置にないと云う事が確認されてはいたものの、俳優のリアルなリアクションを引き出すために、実弾の装填された拳銃で演技が行われていたのだと云う。また、デニーロとサヴェージのあの脱走シーンでは、全てがキャスト自身によるスタントで行われたもので、後年のデニーロのコメントでも最も過酷な撮影だったと言わしめている。アレゲニー山での鹿狩りのシークエンスはもとより、ペンシルバニアの田舎町を捉えての一連のシークエンスなど、抑制された演出ながらも、その暗雲漂う時代背景が如実に描き出された中での等身大の人間描写には、思わず引きずり込まれてしまうと云った所。
ふと思い出しても情緒が揺さぶられるクライマックス、そして、エンドクレジット冒頭のニック(ウォーケン)の笑顔が強烈に焼き付いてしまう作品だが、あのエンディングで奏でられる「カヴァティーナ」は、実にスタンリー・マイヤーズのオリジナルである。これぞ正しく、奇跡の映像によって生み出された奇跡の名曲。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
マイケル・チミノ
Michael Cimino
ダーティハリー2 Magnum Force (screenplay)
サンダーボルト Thunderbolt and Lightfoot
天国の門 Heaven's Gate
イヤー・オブ・ザ・ドラゴン Year of the Dragon
製作
Produced by
バリー・スパイキングス
Barry Spikings
軍旗の陰影(未) Conduct Unbecoming
地球に落ちて来た男 The Man Who Fell to Earth
コンボイ Convoy
マイケル・ディーリー
Michael Deeley
マイケル・チミノ
Michael Cimino
* 原案と監督も兼任
ジョン・ピヴェラル
John Peverall
恐竜の島 The Land That Time Forgot
地球に落ちて来た男 The Man Who Fell to Earth
原案
Story by
マイケル・チミノ
Michael Cimino
* 製作と監督も兼任
デリック・ウォッシュバーン
Deric Washburn
* 脚本も兼任
ルイス・ガーフィンクル
Louis Garfinkle
ドーベルマン・ギャング The Doberman Gang
クイン・K.レデカー
Quinn K. Redeker
候補者ビル・マッケイ The Candidate (actor)
脚本
Screenplay by
デリック・ウォッシュバーン
Deric Washburn
サイレント・ランニング Silent Running
撮影
Cinematography by
ヴィルモス・ジグモンド
Vilmos Zsigmond
脱出 Deliverance
未知との遭遇 Close Encounters of the Third Kind
編集
Edited by
ピーター・ツィンナー
Peter Zinner
ゴッドファーザーPARTⅡ The Godfather: Part II
スター誕生 A Star Is Born
美術
Art Direction by
ロン・ホッブス
Ron Hobbs
ドミノ・ターゲット The Domino Principle
トム・ホーン Tom Horn
キム・スワドス
Kim Swados
女優志願 Stage Struck
悪魔の棲む家 The Amityville Horror
音楽
Music by
スタンリー・マイヤーズ
Stanley Myers
ユリシーズ Ulysses
私は誘拐されたい The Night of the Following Day
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ロバート・デ・ニーロ
Robert De Niro
Michael Vronsky ゴッドファーザーPARTⅡ The Godfather: Part II
タクシードライバー Taxi Driver
ニューヨーク・ニューヨーク New York, New York
ジョン・カザール
John Cazale
Stanley 'Stosh' ゴッドファーザーPARTⅡ The Godfather: Part II
狼たちの午後 Dog Day Afternoon
ジョン・サヴェージ
John Savage
Steven 夕陽の群盗 Bad Company
エリックの青春 Eric (tv)
クリストファー・ウォーケン
Christopher Walken
Nick センチネル The Sentinel
アニー・ホール Annie Hall
メリル・ストリープ
Meryl Streep
Linda ホロコースト 戦争と家族 Holocaust (tv)
ジュリア Julia
ジョージ・ズンザ
George Dzundza
John ハッピーフッカー 陽気な娼婦 The Happy Hooker
死霊伝説 Salem's Lot
チャック・アスペグラン
Chuck Aspegren
Axel  
シャーリー・ストーラー
Shirley Stoler
Steven's mother ハネムーン・キラーズ The Honeymoon Killers
コールガール Klute
ルターニャ・アルダ
Rutanya Alda
Angela スケアクロウ Scarecrow
フューリー The Fury
ピエール・セギ
Pierre Segui
Julien Grinda 地獄の黙示録 Apocalypse Now
メイディ・カプラン
Mady Kaplan
Axel's girl センチネル The Sentinel
天国の門 Heaven's Gate
エイミー・ライト
Amy Wright
Bridesmaid ヤング・ゼネレーション Breaking Away
悪魔の棲む家 The Amityville Horror
リチャード・カス
Richard Kuss
Linda's father セルピコ Serpico
ジョー・グリファージ
Joe Grifasi
Bandleader プリズン・ウォー(未) On the Yard
スプラッシュ Splash
ポール・ダマート
Paul D'Amato
Sergeant スラップ・ショット Slap Shot
天国の門 Heaven's Gate
メアリー・アン・ヘイネル
Mary Ann Haenel
Stan's girl   
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