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Soylent Green
ソイレント・グリーン (1973) USA 97 min.
Introduction 序盤アウトライン
2022年、ニューヨーク。約4000万人の人口過多と環境汚染があらゆる機能を麻痺させる中、食糧不足に喘ぐ人々の生活区域では暴動と犯罪が多発していた。そんなある頃、豪華マンションの一室で一人のエグゼクティヴが惨殺される。現場に向かった腕利き刑事のソーンは、さまざまな状況証拠からプロによる暗殺事件と睨むが、やがて事件の核心にも迫る彼を待ち受けていたのは、日常的なお蔵入り事件としての捜査の打ち切り命令だった。孤高の捜査に乗り出したソーンは、命を危険に晒しながら一つの事実に辿り着くが、それは余りにおぞましい人類の真実だったーー
Various Note メモ
近未来を舞台に、究極のタブーに迫る主人公の孤高の闘いを描くサスペンス巨編。原作はハリー・ハリソン(Harry Harrison)の「人間がいっぱい(Make Room! Make Room!)」。脚色は「ジョニーの帰郷 (1971) (tv)」「ハイジャック (1972)」のスタンリー・R.グリーンバーグ(Stanley R. Greenberg)。監督は「ミクロの決死圏 (1966)」「絞殺魔 (1968)」「トラ・トラ・トラ! (1970)」「センチュリアン (1972)」のリチャード・フライシャー(Richard Fleischer)。
主演は「地上最大のショウ (1952)」「十戒 (1956)」「黒い罠 (1958)」「ベン・ハー (1959)」「猿の惑星 (1968」のチャールトン・ヘストン(Charlton Heston)。主な共演は、「十戒 (1956)」「逆転 (1963)」「シンシナティ・キッド (1965)」「マッケンナの黄金 (1969)」のエドワード・G.ロビンソン(Edward G. Robinson)、「冒険者 (1970)」「きんぽうげ (1970)」「ホースメン (1971)」のリー・テイラー=ヤング(Leigh Taylor-Young)、「第三暗黒街 (1954)」「七人の特命隊 (1968)」「地平線から来た男 (1971)」のチャック・コナーズ(Chuck Connors)、「市民ケーン (1941)」「ガス燈 (1944)」「君去りし後 (1944)」「ジェニイの肖像 (1947)」「第三の男 (1949)」「黒い罠 (1958)」のジョセフ・コットン(Joseph Cotten)、「ポギーとベス (1959)」「アラバマ物語 (1962)」「質屋 (1964)」のブロック・ピータース(Brock Peters)、「スイート・チャリティ (1968)」「アンドロメダ (1971)」「野獣戦争 (1972)」のポーラ・ケリー(Paula Kelly)など。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
ここでの舞台は、人口過多と環境汚染で食料が不足、溢れかえる人々の遺体をリサイクルするかのように食料として供給する近未来。タイトルの「ソイレント・グリーン」とは、そんな極限状況期に到達した人類の究極の食物連鎖とでも云うべき成れの果てに生み出された加工品の事。そんな究極のタブーとでも云うべき配給システムを多勢の人々が知る訳もなく、その秘密に迫ろうとする主人公の姿をスリリングに描くのがここでのあらすじだが、そもそもの話、主人公が核心に迫るにつれ思い浮かぶと云えば、一体、どれだけの人々がここでの「人間リサイクル」という真実を知りえていたのかと云う辺り。政府関係者はもとより、あの大規模な工場関係者など、正直、秘密を知る者も相当数に上るようにも思えてしまったが、考えてみれば、機密保持を遵守させるためにはそれなりの見返りも与えられているはず。現に、あの暗殺者や同居人の黒人女性など一連の高級マンションに住む人々なども体制側だったようにも思えるが、となれば、これは特権階級が庶民を踏み台にする北朝鮮にも似たような構図。とどのつまり、この物語りも、近未来SFと云うより、悪政の成れの果てを描く社会派の寓話のような内容である。
確かに、NYだけで人口4千万と云う物語のバックグラウンドは只者じゃない。市街地なのか州全体なのかは定かではないが、Y2K以降、2千万人未満程度で足踏みをする州人口を考慮すれば、仮にNY州全体で4千万と云う数字でもこれはかなりのものに違いないが、それでもやはり「人間リサイクル」ってのはあり得ない。と云うか、粉塵漂う汚染された屋外の映像や母親の遺体の傍らで泣き叫ぶ子供の姿、微々たる食糧の配給で暴動が起きるような情景を目の当たりにすれば、苦肉の策としての「人間リサイクル」ってのもあり得るような気にもさせられるが、一部の界隈では最先端の文明が息衝く中、フツーの民主主義にも絶望していない主人公やその周辺人物などの姿を見れば、やはり「人間リサイクル」ってのも短絡的でエゴな愚策に他ならない。「ソイレント・グリーンは人肉だ!」というあの著名な台詞でクライマックスを迎える中、食料用の人間が飼育されるようになる事を危惧する主人公だが、この辺りこそが「人間リサイクル」の愚策の本丸。サプライ同然の食料だけを摂取した人類がどのような形で退化の道を辿るのかも想像に難くはないので。ただ、フツーに恐ろしいと云えば、秘密が公然となってしまった場合。飢餓に追い込まれれば、凶悪なファシズムにも同調してしまえるのが人類の本質だが、もはやこうなれば、近代の文明そのものが危ぶまれる。と云うか、人口過多も少子化でペースダウンする中、山積する他の問題で針の筵の先進国の人々にとっては、ここでの物語にももはや説得力はないのかも。秒単位での情報操作がモノを云う時代な訳だし。
ただ、冷戦期の真っ只中で製作された映像にはモノホンの緊張感があったのも確か。核戦争の現実に脅かされていた時代の緊張感と云うのも、昨今のそれとも全く違うレベルだったといえるが、政府の秘密をガラス張りにしようと試みる一連の70年代作品の場合、プロットなどはさて置き、深層部分の不安がそのまま投影されていた。夢も希望も打ち砕かれるクライマックスには、何れの作品でも愕然とさせられたが、実はこの辺りこそがモノホンの証。時代考証とも言える作り手の素直な情感がエンタメ的な側面に融合する作品が面白くないはずもない。
エンタメと云えば、「本」と呼ばれる人物や「ファニチャー(家具)」と呼ばれる美女が登場する辺りは、昨今では味わえない面白さだった。取り分け面白かったのは、ボンドガールならぬソイレントガールの面々。不動産の物件に漏れなく付いてくる家具のような存在である事から「ファニチャー」と呼ばれるソイレントガールの面々だが、これも要は、藤原紀香ヴァージョンのレオパレスCMのようなノリ。フライヤーによれば、大豆の"Soy"とレンズ豆の"Lentil"を掛け合わせたソイレントと云うネーミングだが、バザーのシーンで登場するソイレントパンは、色とりどりのメロンパンのようで美味そうだった。と云うか、無機質で薄っぺらのソイレントグリーンの方がヴォリューム満点のソイレントパンより高価ってのも納得できず。序盤、スペースインベーダーの数世代前の元祖のようなテーブルゲームが登場するが、リアルなCGゲームも当たり前の昨今、余りにシンプルなスタイルのゲームは、ご愛嬌と云うよりむしろ超モダンな印象も。



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