Return To Top
The Sting
スティング (1973) USA 129min.
Introduction 序盤アウトライン
1936年、シカゴ近郊の下町。ルーサーとフッカーら3人の詐欺師は、その正体も知らぬままに、NYの黒幕ロネガンの手下から大金を巻き上げてしまう。ところが、奪った大金がシカゴに届けるはずだった賭博の売り上げだった事から、詐欺師の稼業から足を洗う決意を固めていたルーサーが暗殺されると云う悲劇に発展する。追われる身となったフッカーは、生前のルーサーから聞かされていたシカゴの大物詐欺師ゴンドルフを訪ねる。やがて、ルーサーの復讐を誓う2人は、人生の全てを懸けた一世一代の大計画に打って出るのだがーー
Various Note メモ
クランクイン直前、かかとに怪我を負ったロバート・ショーは、痛みを我慢して不自然な動きになる事を避ける為に、敢えて、足に障害を持つと云う設定で登場している。「クレムリンレター 密書」や「100万ドルの血斗」のリチャード・ブーンを始めとする全てのオファーが空振りに終わっていたと云うロネガンの配役だが、切り札となったロバート・ショーへのオファーは、キャスティングの最終段階で出されたものだった。
脚本を担当したデイヴィッド・S.ウォードは、直前に携わっていたと云う"Steelyard Blues"を執筆していた際に本作のプロットを思い付いている。血で血を洗う抗争が相次いで起きていた30年代のシカゴに於いて、暴力抗争とは一線を引きながら頭脳で相手を出し抜くと云うポリシーで活動していたコン・アーティストと呼ばれる詐欺師を題材にしたウォードは、完成したシナリオを"Steelyard Blues"でも製作に携わっていたトニー・ビルに提示、その内容に魅せられたビルは、フィリップス夫妻との共同出資と云う形で映像化権を購入している。
ウォードが執筆の際に参考にしたと言われる1940年初版のデイヴィッド・モーラーによる著書"The Big Con"は、99年にも再編集された上で出版されている。ニューマンが演じるゴンドルフだが、その名前は、チャーリーとフレッドと云う実在した詐欺師ゴンドルフ兄弟から引用されたものである。
若手詐欺師のフッカーについては、当初からレッドフォードのイメージで書き上げたと云う執筆者のウォードだが、当のレッドフォードは当初のオファーを辞退、ジャック・ニコルソンの辞退を経て、最終的には、作品がヒットするとは夢にも思っていなかったと云うレッドフォードに再度出されたオファーで決着している。そのレッドフォードが演じるジョニー・フッカーと云う呼び名は、伝説のブルースマン"ジョニー・リー・フッカー"から引用されたものらしい。
そのレッドフォードは、何と驚いた事に、2004年の6月まで完成した本作を観た事がなかったと云う。
ポール・ニューマンに根気強くアプローチを展開、粘り腰での承諾を得たのは、本作の脚本とは偶然出合ったと云う監督のヒルだった。そのニューマンの手捌きを演じているのは、技術顧問と云う肩書きで招集されたジョン・スクレーンと云うマジシャンである。
その当初は、ロケーション撮影を熱望していたヒルだが、30年代の時代感で当時の街並みに再現する事は困難極まると云う美術担当ヘンリー・バムステッドの意見を受ける形で、当初のロケ案を撤回、その殆どの撮影は、ユニヴァーサルのセットで行われている。僅かに行われたと云う野外ロケは、シカゴとロスでの数日間だけだったと云う。
ジョプリンがプレイするラグタイムだが、作品の背景当時である30年代には、既にポピュラーな音楽ではなくなっている。当時はディキシーランドから派生したビッグバンドが一世を風靡していた時代だったからだが、シナリオのコントラストを考慮すれば、冒頭から登場する下町の情緒を表現するには実に適していたサウンドだったと云える。1900-1910の間に作曲されたジョプリンの楽曲だが、本作の大ヒットと云う現象によって、実質的には25年程度のスパンだったと云われるラグタイム文化を、現代のポップ文化に再び引き戻す訳である。余談だが、音楽学校等でのカリキュラムには、各時代に於ける音楽文化を習得すると云う過程があったりするもので、本作のオープニング曲「ジ・エンターテイナー」は、単位習得の際には最もポピュラーな楽曲の一つ。
本作は73年度のアカデミーで最優秀作品賞に輝いているが、ユニヴァーサルが製作した作品としては、意外や意外にも、30年の「西部戦線異状なし」以来の受賞だったらしい。
その舞台裏を完全に公開しながらの詐欺師たちによる大勝負、ロネガンに対する復讐劇と云うモチーフだけでも充分に面白いシナリオだが、その結末の為に用意された絶妙な伏線、追われる当事者的立場のフッカーに纏わるビッグ・サプライズなど、この面白さは半端ではない。実在の人物をモチーフにしたと云う元ネタを持つシナリオながらも、このオールスター詐欺師による一世一代のステージは、執筆者のウォードが生み出した一世一代の大傑作、正に劇場長編シナリオの金字塔と云った所。何度観ても楽しめる。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
ジョージ・ロイ・ヒル
George Roy Hill
明日に向かって撃て!
 Butch Cassidy and the Sundance Kid
スローターハウス5 Slaughterhouse-Five
スラップ・ショット Slap Shot
リトル・ロマンス A Little Romance
ガープの世界  The World According to Garp
リトル・ドラマー・ガール The Little Drummer Girl
製作
Produced by
トニー・ビル
Tony Bill
ニューヨーク一獲千金
 Harry and Walter Go to New York
マイケル・フィリップス
Michael Phillips
タクシー・ドライバー Taxi Driver
弾丸特急ジェット・バス The Big Bus
未知との遭遇 Close Encounters of the Third Kind
ジュリア・フィリップス
Julia Phillips
脚本
Written by
デイヴィッド・S.ウォード
David S. Ward
メジャーリーグ Major League
めぐり逢えたら Sleepless in Seattle
撮影
Cinematography by
ロバート・サーティース
Robert Surtees
悪を呼ぶ少年 The Other
編集
Edited by
ウィリアム・レイノルズ
William Reynolds
地球の静止する日 The Day the Earth Stood Still
ハロー・ドーリー! Hello, Dolly!
美術
Art Direction by
ヘンリー・バムステッド
Henry Bumstead
ジャングル地帯 The Spiral Road
シノーラ Joe Kidd
特殊静止画効果
Special
photographic effects
アルバート・ホイットロック
Albert Whitlock
007 ダイヤモンドは永遠に Diamonds Are Forever
刑事コロンボ:黒のエチュード
 Columbo: Étude in Black (tv)
パピヨン Papillon
音楽
Music adaptor
マーヴィン・ハムリッシュ
Marvin Hamlisch
コッチおじさん Kotch
追憶 The Way We Were
ピアノ・ラグ
piano rags
スコット・ジョプリン
Scott Joplin
1868-1917 "king of ragtime"
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ポール・ニューマン
Paul Newman
Henry Gondorff
aka Shaw
明日に向って撃て!
 Butch Cassidy and the Sundance Kid
ロイ・ビーン The Life and Times of Judge Roy Bean
マッキントッシュの男 The MacKintosh Man
ロバート・レッドフォード
Robert Redford
Johnny Hooker
aka Kelly
明日に向って撃て!
 Butch Cassidy and the Sundance Kid
候補者ビル・マッケイ The Candidate
追憶 The Way We Were
ロバート・ショウ
Robert Shaw
Doyle Lonnegan 007 ロシアより愛をこめて From Russia with Love
空軍大戦略 Young Winston
サブウェイ・パニック
 The Taking of Pelham One Two Three
チャールズ・ダーニング
Charles Durning
Lt.
William Snyder
USAブルース Stiletto
悪魔のシスター Sisters
レイ・ウォルストン
Ray Walston
J.J. Singleton アパートの鍵貸します The Apartment
ペンチャー・ワゴン Paint Your Wagon
アイリーン・ブレナン
Eileen Brennan
Billie ラスト・ショー The Last Picture Show
スケアクロウ Scarecrow
ハロルド・グールド
Harold Gould
Kid Twist 動く標的 Harper
殺しの逢びき An American Dream
ジョン・ヘファーナン
John Heffernan
Eddie Niles ルーという女 Puzzle of a Downfall Child
フィッシャー・キング The Fisher King
ダナ・エルカー
Dana Elcar
FBI Agent Polk 知恵の木 The Learning Tree
ミネソタ大強盗団 The Great Northfield Minnesota Raid
ジャック・キーホー
Jack Kehoe
Joe Erie セルピコ Serpico
レッズ Reds
ディミトラ・アーリス
Dimitra Arliss
Loretta 真夜中の向う側 The Other Side of Midnight
ファイヤーフォックス Firefox
ロバート・アール・ジョーンズ
Robert Earl Jones
Luther Coleman * ジェームズ・アール・ジョーンズの父親
わかれ道 One Potato, Two Potato
大逆転 Trading Places
ジェームズ・スローヤン
James Sloyan
Mattola ザナドゥ Xanadu
チャールズ・ディアコップ
Charles Dierkop
Floyd
(Bodyguard)
空爆特攻隊 The Thousand Plane Raid
明日に向って撃て!
 Butch Cassidy and the Sundance Kid
サリー・カークランド
Sally Kirkland
Crystal 追憶 The Way We Were
スター誕生 A Star Is Born
邦題タイトル一覧 Domestic Title List
原題タイトル一覧 Original Title List
製作年度別一覧 Production Year's List
キーワード別一覧 Various Categories
リンクのページ Excellent Links
サイト掲示板 bbs
管理人の部屋 Webmaster
更新履歴 Update - Blog

作品のチラシ画像 Here's Flyer Images
現時点で入手が可能な
作品の関連アイテム
トップページへ Go To The Top Page 邦題リストへ Go To The Domestic Title List 原題リストへ Go To The Original Title List 製作年度別リストへ Go To The Production Year's List キ-ワード別一覧へ Go To The Various Categories
Copyright Flyer's Nostalgia - Authored by clockrestorange
All trademarks and copyrights on this page are owned by their respective owners.