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Sophie Scholl - Die letzten Tage
白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 (2005) Germany 120min.
Introduction 序盤アウトライン
1943年2月18日。ヒトラー政権の打倒を掲げるレジスタンス組織「白バラ」の中心人物ハンス・ショルとその妹ゾフィーが、自らの在学するミュンヘン大学の構内でゲシュタポに逮捕される。以前までは無差別の宛先に抵抗活動のダイレクトメールを送り付ける活動を続けていた「白バラ」だったが、紙不足の為にビラ送付用封書にも事欠くようになる中、ダイレクトでのビラの配布を余儀なくされた2人は、学生運動の機運も高まる大学構内での綱渡りの行動の果てに逮捕されたのだった。間もなくして厳しい取調べが開始される中、抵抗活動を継続させるべく一連の事実にもシラを切り通したゾフィーは、何事も無かったかのように放免される事になるのだがーー
Various Note メモ
1942年から1943年に亘りナチスへの抵抗を続けた地下組織「白バラ」の真実を描く。脚本は、製作も兼任するフレート・ブライナースドーファー。演出は「アンツ・イン・ザ・パンツ!」のマルク・ローテムント。90年代、ゲシュタポの記録が東ドイツで発見された事を契機に、その逮捕から処刑されるまでのわずか5日間を克明に再現する一遍。主人公のゾフィー・ショルと云う人物は、04年度公開作品「ヒトラー~最期の12日間~」の冒頭スクリプトにも登場する女性。05年度のベルリン国際では監督賞(マルク・ローテムント)と女優賞(ユリア・イェンチ)を受賞。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
実在した「白バラ」メンバー3名の逮捕から斬首刑に処されるまでの顛末を描くシナリオだが、何より絶句させられたと云えば、その所要日数がわずか5日間だったと云う事実。しかも、「人民法廷」とは名ばかりのファシズム独裁の裁判が行われたのも、取調べを終えた1943年2月22日当日の事で、何とギロチンによる斬首刑が執行されたのもその当日の夕方の話。そんなシュールな5日間を事実に即して走馬灯のように描くシナリオだが、なかんずく印象的だったと云えば、運命の2月22日を描く中での一連のダイアローグ。ゲシュタポの尋問官をやり込めるゾフィーのダイアローグはもとより、東部戦線の惨状を身を持って知るハンスがクレイジーな口先だけの裁判官に反論するダイアローグなどは極めて印象的だった。
死刑の宣告にも臆するどころか捨てゼリフまでを残してこの世を去ったゾフィーと云う女性だが、ここで気になったのは、シナリオでは描かれていなかった彼女のバックボーン。尋問官とのやり取りを描くスクリプトでも僅かに紹介されるゾフィーのプロフィールだが、若干21歳にして筋金入りの抵抗活動家だったと云う人間像については、その生い立ちと10代の頃の足取りを抜きにしては語れない所。
ゾフィー・マグダレーナ・ショル(Sophia Magdalena Scholl)と「白バラ」 
1921年12月22日、フォルヒテンベルクの町長ロベルト・ショルの4番目の子として誕生(後に5人兄弟に)。自然環境も豊かな土地で幼年期を過ごした後、父親の仕事の事情でウルムへ転居。10歳に成長した1932年、ドイツ女子青年同盟(BDM)に入団するが、ナチスによって「退廃的」とされていた画家ベルトル・クライやヴィルヘルム・ガイヤーにもバックアップされる中、ナチスによって禁じられていたトーマス・マンの著書などを密かに読み漁っていた他、組織の女性指導者に対してユダヤ人の詩人ハインリッヒ・ハイネの著書を課題図書にするよう強く主張するなど、リベラルな父親と同様に10代前半の年頃にしてナチスへの強い抵抗を露にしていた。そんな最中の1937年11月、非合法活動を理由にゲシュタポに逮捕された事が「体制」への不信感を加速させる。
1940年、アビトゥア(大学入学資格)を取得したゾフィーは、大学へ入学する為の半年間の勤労奉仕が必須とされていた中、紆余曲折を経て1942年3月まで保母を務めた後にウルムに帰郷、同年5月、生物学と哲学の専攻でミュンヘン大学に入学するが、同年8月、父親のロベルトがゲシュタポに逮捕(禁固4ヶ月)された事から、軍需工場での2ヶ月の労働を余儀なくされる。そんな経緯を経た翌年2月18日の大学構内でのビラまき事件から同年2月22日に処刑されるまでの顛末は劇中でも描かれている通りだが、ちなみに、3階のロビーから階下のフロアにビラをばら撒くシーンは、現実には中庭の屋根からビラをばら撒いた為にナチス党員の守衛に発見されたと云う説もある。後年、北欧を経由して渡英した「白バラ」の抵抗活動ビラが、ドイツに降伏を呼びかける連合国によって使用された実話については、劇中のクロージングでも再現されている通り。
「白バラ」の構成メンバーとされた人物については、本作のシナリオでもその末路までが描かれるハンス・ショル氏とゾフィー・ショル氏のショル兄妹とクリストフ・プロープスト氏の3名の他、序盤シーンに登場するヴィリー・グラーフ氏とアレクサンダー・シュモレル氏と云う2名の学生と大学教授のクルト・フーバー氏が参加、ショル兄妹らが処刑された同年夏までに全員が処刑されている。また、抵抗活動の援助を疑われた人物やプロープスト氏の未亡人らも半年から10年間の懲役刑を科せられている。
戦後、連合国の尋問を受けた作曲家カール・オルフ氏の証言によって明らかにされた「白バラ」の活動だが、グループの創設に関わったと語る氏の証言については懐疑的な見方も根強かった。そんな中、「白バラ」メンバーの裁判に関与した裁判官らも、敗戦の渦中で連合国によって一時的に逮捕されているが、恩赦された後に法曹界に復帰、実質的な処罰も何ら受ける事なく戦後の時代を過ごしている。
Various Note メモ
82年のミヒャエル・フェアヘーフェン監督作品「白バラは死なず "Die Weiße Rose"」(同年度ドイツ映画賞では銀賞を受賞)やTVドラマなど過去数本の映像作品でも描かれた「白バラ」に纏わる真実だが、新たに発見された記録を基にしていたと云う本作のスクリプトを前にすれば、「作品」としての映像への所感など述べる事も論外だろう。07年公開予定のヤヌス・カミンスキー監督作品"White Rose"では、「白バラ」の発足とその活動、それぞれのメンバーの背景なども明るみにされるはず。余談だが、本作のクレジット背景でも紹介されるメンバーの実物フォトを見れば、"White Rose"の主演に抜擢されたクリスティーナ・リッチと実物のゾフィー・ショル女史は、その容姿も何気にソックリ。そんな容姿の類似点など別にどうでも良い話だが、何れにせよ、ショル女史のような女性の真実には興味が尽きないのも当たり前。ジャンヌ・ダルクのような強烈な動機があった訳でもなく10代の若さにして強大な権力を敵に回すゾフィー・ショルと云う女性だが、そんな女性の真実だったら様々な側面からいくらでも見てみたい所。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
マルク・ローテムント
Marc Rothemund
アンツ・イン・ザ・パンツ!(未) Harte Jungs
製作
Produced by
フレート・ブライナースドーファー
Fred Breinersdorfer
* 脚本も兼任
スヴェン・ブーゲマイスター
Sven Burgemeister
パニック・イン・スタジアム'99 Das Finale (tv)
クリストフ・ミュラー
Christoph Müller
アンツ・イン・ザ・パンツ!(未) Harte Jungs
マルク・ローテムント
Marc Rothemund
* 監督も兼任
脚本
Written by
フレート・ブライナースドーファー
Fred Breinersdorfer
* 製作も兼任
撮影
Cinematography by
マルティン・ランガー
Martin Langer
14日(未) 14 Tage lebenslänglich
バーグラーズ 最後の賭け(未) Sass
Re:プレイ The I Inside
編集
Edited by
ハンス・フンク
Hans Funck
バンディッツ Bandits (1997)
es [エス] Das Experiment
アナトミー2 Anatomie 2
ヒトラー 最期の12日間 Der Untergang
美術
Production Design by
ヤナ・カレン
Jana Karen
(as Jana Karen-Brey)
ディアボリーク 悪魔の刻印(未)
 Der Grosse Bagarozy
衣装デザイン
Costume Design
ナターシャ・クルティウス=ノス
Natascha Curtius-Noss
GIRLS★GIRLS Mädchen, Mädchen
エリート養成機関 ナポラ(未) NaPolA
音楽
Music by
ラインホルト・ハイル
Reinhold Heil
ウィンタースリーパー Winterschläfer
ラン・ローラ・ラン Lola rennt
ストーカー One Hour Photo
ランド・オブ・ザ・デッド Land of the Dead
地獄の変異 The Cave
パリ、ジュテーム Paris, je t'aime
 segment "Faubourg Saint-Denis"
パフューム ある人殺しの物語
 Perfume: The Story of a Murderer
ジョニー・クリメック
Johnny Klimek
挿入曲
Various Music
Sugar - Billie Holiday
Door De Nacht Klinkt Een Lied - Willi Stanke und sein Orchester
Mother and Son - Gert Wilden Jr.
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キャスト
Cast
配役
Plays
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