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The Godfather: Part III
ゴッドファーザー PARTⅢ (1990) USA 162min. (video version: 169min.)
Introduction 序盤アウトライン
1979年、二十余年もの長期に亘り、コルレオーネファミリーのドンとして非合法ビジネスの世界で辣腕を振るってきたマイケルだったが、心身共に疲れ果てていた彼は、バチカンとの結託を実現化する事で合法ビジネスの世界に転身しようと云う一大転機を迎えようとしていた。それは、別れた妻ケイとの果されなかった約束が、ようやく実現しようと云う大きな節目でもあったが、血みどろの歴史に終止符を打ち、決別を図ると云うその先には、彼の想像を遥かに超えた悪意にも満ちた裏切りが待ち構えていた。かつてはマイケルが統治していた地域を牛耳る若頭ジョーイ・ザザと血の気の多い甥のヴィンセントの反目、そして、統治分配しようとするマイケルの恩恵に肖ろうと軒並み顔を揃えた大物幹部らの殲滅を狙った謎の銃撃事件の発生によって、マイケルは血で血を洗う抗争の世界に引き戻されてしまうーー
Various Note メモ
シリーズ第一作目では洗礼を受けるマイケルの甥として登場、「パートⅡ」では幼き日のヴィトーが乗り込む船上でのエキストラ、そして、本作ではマイケルの娘メアリーを演じるソフィア・コッポラだが、彼女の抜擢は、極度の疲労が蓄積していたと云うウィノナ・ライダーの降板を経たものだった。ここではコッポラには借りを作る結果となったウィノナ・ライダーだが、後にライダーを経由する形でコッポラが着手、大収益を上げる「ドラキュラ」によって、ここでの借りもキッチリと返す形になっている。(詳細は「ドラキュラ」のページを参照)
ソフィアが監督の実娘、劇中でメアリーの叔母を演じるタリア・シャイアがコッポラの妹である事から察すれば、実生活での叔母と姪と云う関係の二人は、劇中でも同様の関係を演じている事になる。
初稿の段階では、ロバート・デュバルが演じるトム・ヘイゲンも登場していたと云うシナリオだが、デュバルが500万ドルのギャラを要求した事に対しパラマウントが難色を示した為に、ハミルトン演じる相談役を新たな登場人物として挿入、大幅な手直しが加えられている。
この作品のプロダクションを立ち上げる頃、コッポラが主宰するゾートロープは、88年「タッカー」の興行的失敗により財政的に窮地に立っていた。その苦しい財政状況を背景にしたパチーノへのギャラを巡っての話だが、500万ドルと云うスタジオが提示したギャラに対し、パチーノは「700万ドル+興行収益から算出される妥当な配分」と云う要求を提示、只でさえ財政状況に苦しんでいたコッポラは、その要求を拒否した上に、本作の冒頭シークエンスをマイケルの葬式で始まるものに脚本も書き換えると云う具体的な回避策で応戦、パチーノは500万ドルと云うスタジオの提示したギャラで手を打っている。
特に重要視する必要もない事だが、スタジオの説明によれば、マイケルが迎える往生は1997年だという事である。これは、後年のDVDの年表でも確認出来る。
テロップにもクレジットされているが、劇中では、マーティン・スコセッシ監督の母親の姿を見る事が出来る。荒んだ状態の街の様子を嘆き、ヴィンセント(アンディ・ガルシア)に愚痴をこぼす女性のうちの一人である。
全シリーズ作と同様に「オレンジ」が死や危険のサインとして登場している。マイケルが往生する場面、ヘリの襲撃の場面、そして糖尿を患うマイケルが危機を脱するオレンジ・ジュースなどがそうである。
実は、本作のヴィンセント役にはデニーロと云う話もあった。これはデニーロが陳情していたと云うもので、年老いたメイクを施すアル・パチーノが中心となるこのシナリオでは、然程の違和感も無いかとコッポラも軟化した態度を見せていたが、結局は断念している。隔世遺伝の理屈から考えれば、若き日の祖父を演じたデニーロが、孫のヴィンセントを演じると云うのも理に適っていたような気もする所。
そのヴィンセントの配役がガルシアに決定するまでに、アレック・ボールドウィン、マット・ディロン、ヴィンセント・スパーノ、ヴァル・キルマー、チャーリー・シーン、ビリー・ゼイン、そして本作で製作に携わるコッポラの甥ニコラス・ケイジと言う面々がその候補リストにひしめき合っていた。
そのガルシアが格闘の際に拳銃で殴打する場面がある。当初の予定ではプラスティック製の模造銃で殴るはずだったのだが、リアリズムに欠けると云うガルシアの意見により本物の拳銃に交換、その結果、スタントマンは縫合を要する怪我を負うものとなっている。
また、ソフィア・コッポラが演じるメアリーの配役について、コッポラ監督が筆頭候補として考えていたジュリア・ロバーツはスケジュールが合わずに却下、そして、自身で売り込みに来たと云うマドンナだが、彼女の場合、問題となったのはその年齢だった。そして、テレビドラマ「恐怖の航海アキレ・ラウロ号事件」にも出演していたレベッカ・シェイファーに白羽の矢が立ったが、彼女は21歳の若さで偏執的なファンの銃弾の犠牲となってしまう。思わぬアクシデントでウィノナ・ライダーへと配役が移行するが、そのライダーが降板した理由については先述の通りである。
パラマウントはコッポラとプーゾに関与しない形での続編を「パートⅡ」以降の長期にわたって企画検討していた。「フラッシュダンス」「ビバリーヒルズ・コップ」「トップガン」などで脚本を担当したドン・シンプソンが執筆したものを含む、少なくとも12冊以上の脚本が書かれている。その内容の殆どがアンソニーを跡目に据えたもので、CIAとの対決、カストロのキューバとの確執、南米の麻薬カルテルとの戦争等々、国際的な問題に直面するファミリーを描いたものだった。
また、パラマウントとは別路線で元々の原作者のプーゾもアンソニーを題材にした脚本を78年に書いている。それは、CIAのエージェントとしてスカウティングされたアンソニーが、南米某国の独裁者を暗殺すると云うシリーズ生みの親の発想とも思えぬ内容である。また、86年には、若き日のソニーに照らし合せた背景でのヴィンセントをモチーフにしたシナリオもニコラス・ケイジと共同執筆している。
コッポラ抜きでの製作にも踏み切ろうとしていたパラマウントだが、そのリストに挙げられていた監督候補者は、マーティン・スコセッシを筆頭に、シドニー・ルメット、「Z」のコスタ・ガブラス、アラン・J.パクラ、ロバート・ベントン、マイケル・チミノ、そしてマイケル・マンと云った錚々たる面々だった。最終的には、スタローンが主演と監督を務めると云う形での製作実現にあと一歩の所までと辿り着くが、結局は、白紙の状態に戻されてしまう。しかし、主演だけならまだしも、監督もスタローンと云う発想は如何なものだったのだろうか。
当初は、「マイケル・コルレオーネの死」と云うタイトルをイメージしていたと云うコッポラの構想も、スタジオによって却下されている。また、マイケルの葬儀についての脚本も書かれ、実際にリハーサルも行われているが、本テイクの撮影には至っていない。これは、先述のアル・パチーノとのギャラを巡る駆け引きを背景にしたエピソードだと思われる。
デイヴィッド・ヤロップが84年に発表した著書"In God's name"がモチーフとして挿入されたシナリオだが、それは、実在した「30日法王」ジョン・ポールについて記されたものである。
「ロッキー」や「恐怖の報酬」などでも強烈な個性を見せたジョー・スピネルも、前作に引き続きウィリー・チチとして登場するはずだったが、出演も叶わぬまま、クランクイン直前の89年1月13日に心臓発作で他界している。
シリーズ第一作目に登場するジョニー・フォンテーンが自身をモデルにしたキャラクターであると騒ぎ立てられた事で、本シリーズには反目する姿勢に終始していたフランク・シナトラだが、ここではそのスタンスを翻し、イーライ・ウォラックが演じるドン・アルトベッロの配役に興味を示していた。しかし、ギャラの単位が違いすぎると云う理由でその興味も薄れたらしいのだが、面白いのはシナトラも出演している53年の「地上より永遠に」に纏わる話である。
実は、シナトラが「地上より永遠に」で演じた配役は、本作でドン・アルトベッロを演じているイーライ・ウォラックに当初のオファーが出されていたもので、ウォラックは低ギャラであると云う理由で役を断っているのである。つまり、異なる作品を股に掛ける形で、2人の役者が入れ替わる形で同じ経緯を辿っている訳だが、もうこうなれば、単なる偶然で済まされる話ではないだろう。その53年には、ギャラが安いと云う理由で降板したウォラックの後釜と云う形で役を得たシナトラだが、役者としての全盛期を迎えていた当時のシナトラにしてみれば、これは屈辱以外の何物でもなかったはず。そして、その過去の遺恨を晴らすべく、三十余年の歳月を経た本作で、イーライ・ウォラックもリストアップされたドン・アルトベッロの配役に興味のある素振りを見せただけと云う形にも見て取れる。何れにせよ、その真相は定かではない。
「パート3」が製作されると云う噂が囁かれるようなった頃には、ジョン・トラヴォルタが出演すると云う話も盛んに噂されていた記憶があるのだが、その後の逸話等には彼の名前は一切登場していない。その真相は定かではない所で、トラヴォルタがヴィンセントを演じていたらと云う興味も確かに尽きない所ではあるが、ここでのガルシアがその大役を見事に果している事には疑いの余地もない所。シリーズを通してアル・ネリを演じて来たリチャード・ブライトのパフォーマンスも正に強烈。72年と74年、立て続けに連発された伝説的な名作の続編として、驚く事なかれ、16年の時を経て登場した第三作目だった訳だが、ここまでの出来映えであれば文句の付けようも無いと云った所。あの「パートⅡ」での奈落の底での余韻を消し去る事も不可能に思えていた中で、愛娘を失うと云う多大なる犠牲を払う形で整然とした形でシリーズを完結に導くと云う顛末は、正に圧巻だったと云わざるを得ない。
「パートⅡ」で提示されたマイケルの因果応報を具現化すると云う点を考慮すれば、アンソニーかメアリーが犠牲になる事も先刻承知だった訳だが、そのアンソニーが舞台に上がるオペラのシークエンスを強力な伏線とする衝撃のクライマックスは、正に映画史にも残る完成度だったと云える。メアリーを失った時点で、マイケルの因果に満ちたドラマは終焉を告げていた訳だが、この傑出したシリーズの終止符も、一人寂しく死に行く姿を捉えた最終カットに映るマイケルによって厳かに打たれている。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
製作と監督
Produced
& Directed by
フランシス・フォード・コッポラ
Francis Ford Coppola
ゴッドファーザー The Godfather
カンバセーション 盗聴 The Conversation
ゴッドファーザーPARTⅡ The Godfather: Part II
地獄の黙示録 Apocalypse Now
アウトサイダー The Outsiders
コットンクラブ The Cotton Club
タッカー Tucker: The Man and His Dream
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
製作総指揮
Executive Producers
フレッド・フックス
Fred Fuchs
タッカー Tucker: The Man and His Dream
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
ニコラス・ゲイジ
Nicholas Gage
* ニコラス・ケイジじゃない
マンハッタン皆殺し作戦 Crazy Joe
脚本
Written by
マリオ・プーゾ
Mario Puzo
コットンクラブ The Cotton Club
シシリアン The Sicilian
フランシス・フォード・コッポラ
Francis Ford Coppola
* 製作と監督も兼任
撮影
Cinematography by
ゴードン・ウィリス
Gordon Willis
カイロの紫のバラ The Purple Rose of Cairo
ピックアップ・アーティスト The Pick-up Artist
編集
Edited by
バリー・マルキン
Barry Malkin
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
ドン・サバティーニ The Freshman
リサ・フラックマン
Lisa Fruchtman
ライトスタッフ The Right Stuff
愛は静けさの中に Children of a Lesser God
ウォルター・マーチ
Walter Murch
地獄の黙示録 Apocalypse Now
ゴースト ニューヨークの幻 Ghost
美術
Production Design by
ディーン・タヴォウラリス
Dean Tavoularis
タッカー Tucker: The Man and His Dream
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
メイクアップ
Makeup artist (NY)
カール・フラートン
Carl Fullerton
13日の金曜日PART2 Friday the 13th Part 2
ハンガー The Hunger
グッドフェローズ Goodfellas
衣装デザイン
Costume Design
ミレーナ・カノネーロ
Milena Canonero
コットンクラブ The Cotton Club
ディック・トレイシー Dick Tracy
音楽
Music by
カーマイン・コッポラ
Carmine Coppola
* コッポラ監督の父
友よ、風に抱かれて Gardens of Stone
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
挿入曲
Various Music
Carmine Coppola - song "Dimmi, Dimmi, Dimmi
Carmine Coppola - theme song "Promise Me You'll Remember"
Archie Bleyer - song "En cumpari"
Elvis Costello - song "Miracle Man"
Tony Cucchiara - song "Santa Rosalia"
Ray Evans - song "To Each His Own"
W. Franke Harling - song "Beyond The Blue Horizon"
Julius LaRosa - song "En cumpari"
Francesco Li Causi - song "Vitti'na crozza"
Jay Livingston - song "To Each His Own"
Pietro Mascagni - from opera "Cavalleria rusticana"
Francesco Pennino - song "Senza perdono"
Richard Rodgers - song "Lover"
Nino Rota - song "Brucia la terra"
Nino Rota - theme and additional music
Richard A. Whiting - song "Beyond The Blue Horizon"
Giuseppe Verdi - song "Va ! pensiero" from "Nabucco"
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
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アル・パチーノ
Al Pacino
Don
Michael Corleone
シー・オブ・ラブ Sea of Love
ディック・トレイシー Dick Tracy
セント・オブ・ウーマン 夢の香り Scent of a Woman
ダイアン・キートン
Diane Keaton
Kay Adams
Mitchelson
ラジオ・デイズ Radio Days
赤ちゃんはトップレディがお好き Baby Boom
タリア・シャイア
Talia Shire
Connie
Corleone-Rizzi
エミリーの窓 Windows
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
リチャード・ブライト
Richard Bright
Al Neri ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
 Once Upon a Time in America
レッドブル Red Heat
アンディ・ガルシア
Andy Garcia
Don Vincent
'Vinnie'
Mancini-Corleone
アンタッチャブル The Untouchables
ブラック・レイン Black Rain
背徳の囁き Internal Affairs
ソフィア・コッポラ
Sofia Coppola
Mary Corleone * コッポラ監督の娘
ニューヨーク・ストーリー New York Stories
フランク・ダンブロージョ
Franc D'Ambrosio
Anthony
Vito Corleone
* Turiddu (sequence 'Cavalleria Rusticana')
イーライ・ウォラック
Eli Wallach
Don Altobello ナッツ Nuts
黄昏のチャイナタウン The Two Jakes
ジョー・マンティーニャ
Joe Mantegna
Joey Zasa 容疑者 Suspect
アリス Alice
ジョージ・ハミルトン
George Hamilton
B.J. Harrison ドラキュラ都へ行く Love at First Bite
ゾロ Zorro, the Gay Blade
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