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Les revenants
奇跡の朝 (2004) France 106min.
Introduction 序盤アウトライン
ある日突然、全世界で7000万人を越える男女が死後の世界から甦生する。わずか2時間の間に流入して来た死者たちは、その殆どが過去10年以内に他界した顔ぶれで占められていた。そんな中、約1万3千人の死者たちを受け入れた地方都市の公務に就くレシェルやイシャム、定年間近の市長らのもとにも、それぞれ若くして失った夫や幼き息子、永年の伴侶らが生還してきたが、生前とは明らかに違う様子の生還者たちを目の当たりにした一同は、さまざまな苦悩を余儀なくされる。そんな中、雇用問題や財政面での早急な対処に追われる行政が、生還した死者たちの社会復帰の適合性を見定めるべく万全の監視体制を敷くのだがーー
Various Note メモ
故人が甦生すると云う不条理な状況下、予想だにも出来なかった厳しい現実を目の当たりにする遺族らの姿を叙情的に描く一遍。オリジナル脚本は、劇場長編初メガホンとなるロバン・カンピヨと「ジャンヌと素敵な男の子(出演作)」のブリジット・ティジュー。「奇跡の朝」と云う邦題とリリカルな宣材デザインには「黄泉がえり」のフランス版と云った先入観も抱かされていたが、その内容は大違い。無責任な形で不条理なコントラストだけに逃れる事もなく、事態が収拾されるまでの過程を奇抜なアイディアで描き切る辺りは、かなりの好印象。感傷性も塗り潰すシリアスなトーンには完全に意表を突かれた。小節割りも度外視するワンモチーフの全音符タイが延々と続く無機質なスコアも、スクリプトと演出を見事に装飾。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
サン=ルイと云う地方都市の墓地から市街地に流出する死者たちが映し出される冒頭だが、まずこの時点で「ゾンビ」などのホラー系とは完全に決別。それぞれ小奇麗な衣類を身に纏った状況で蘇える情景については、ボロボロの衣類を身に纏った半死半生の様相ではなかった事で一安心。死者が蘇ると云うシュールなくだりは「ゾンビ」系ホラーなどにも通じるモチーフだが、生前のある瞬間の時系列の歪からスリップして来た死者たちの姿を「蘇生」と表現するスクリプトと云った所がここでの真実(だと思う)。これが土中から甦った死者の群れなどと云ったノリでは納得出来るはずもなかった所。
そんな冒頭を経た後、突如現れた膨大な数の死者を受け入れる事で困惑する社会がシリアスに描かれる序盤だが、スクリプトでも描かれる雇用問題のみならず、処理済の相続問題を始めとする民事の問題などはどうするのかと云った疑問も真しやかに考えさせられる中盤辺りまでは、どのようなクライマックスが待ち受けているかなど想像も出来なかった所。そんな中、いきなり迎えたターニングポイントが、あの一連のテロ行為。ウトウトしていた背後からきなりど突かれたような印象も覚えたが、そんな「社会復帰した死者の群れによる爆弾テロ」と云う突拍子もないように思えるモチーフも、あのクライマックスを目の当たりにすれば然るべく納得。自らも期せずして時空の歪から飛び出してしまった死者の群れが、あるべき形に戻るべく取った苦肉の行動があの一連のテロ行為だったと云う事。
元の鞘に戻る為には、攻撃させるように仕向ける以外の選択肢がない事を本能的に察知していた死者たちだが、そんな死者たちの苦悩については、余計なダイアローグなども割愛するスレンダーなスクリプトが実に良かった。ただ、死者たちの本音も露呈する事なく、下手な感傷性も最小限に止めるスマートなスクリプトはやや不親切にも思えたが、逆にお涙頂戴のくどい説明調のようなスクリプトであれば、抑制された演出を貫く作品のトーンにも決定的な違和感を投げ掛けていたはず。ホラーやファンタジーなどは論外、メロウな路線でも決してない掴み所のないトーンがここでの真骨頂だった訳なので。
そんな作風やカテゴライズについては、SFなどと呼ぶ事にも抵抗を覚える本当に難儀な作品。生命の生誕そのものの原理などが科学などによって証明出来るのであれば「サイエンス・フィクション」とでもカテゴライズ出来るのだろうが、その内容的にはほぼ永久にSFとも呼べないようなプロットと云った印象だった。時系列の歪から飛び出した死者たちが社会に復帰、フィジカル面でも変調をきたすようになる中、元の時系列に戻る為(再び死ぬ為に)に現世に生きる人間たちに攻撃させようとテロによる挑発行為を実行、予定通り返り討ちにされてフィジカル機能が停止した事で然るべく消滅すると云う物語だが、そんなシュール極まりのない印象のシナリオにして静謐な印象すら覚える演出が全編を貫く中、しまいには納得させられると来れば、引き合いに出せるような作品もチョットやそっとでは思い浮かばない。
ただ、舞台となる地方都市が抱えていた死者の数だけでも1万3千人、全世界では7千万人にも上る膨大な頭数の死者たち全員が満を持してのクライマックスを迎えられたとは到底思えぬ辺りには不満も残るが、ダイアローグも必要最低限、数少ないメインキャストの描写に主眼を置くスレンダーなコンセプトだった事や、予算枠の制限を抱える製作事情などを考慮すれば文句も云えない所。比較的に高額な費用捻出も撮影監督のジャンヌ・ラポワリーと音楽監督のジョスリン・プークに対してだけだったのかも。近年のシュールな路線では大健闘した掴み所のない一遍。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
ロバン・カンピヨ
Robin Campillo
* 脚本/編集も兼任
ヒューマンリソース(未) Ressources humaines (編集)
タイム・アウト(未) L'emploi du temps (脚本)
製作
Produced by
カロリーヌ・ベンジョー
Caroline Benjo
ブック・オブ・ライフ(未) The Book of Life
ヒューマンリソース(未) Ressources humaines (編集)
タイム・アウト(未) L'emploi du temps (脚本)
キャロル・スコッタ
Carole Scotta
脚本
Written by
ロバン・カンピヨ
Robin Campillo
* 監督/編集も兼任
ブリジット・ティジュー
Brigitte Tijou
ジャンヌと素敵な男の子
 Jeanne et le garçon formidable (出演)
撮影
Cinematography by
ジャンヌ・ラポワリー
Jeanne Lapoirie
野性の葦 Les Roseaux sauvages
夜の子供たち Les Voleurs
焼け石に水 Gouttes d'eau sur pierres brûlantes
まぼろし Sous le sable
8人の女たち 8 femmes
ぼくを葬る Le temps qui reste
編集
Edited by
ロバン・カンピヨ
Robin Campillo
* 脚本/監督も兼任
ステファニー・レジェ
Stephanie Leger
ヒューマンリソース(未) Ressources humaines (編集)
タイム・アウト(未) L'emploi du temps (脚本)
美術
Production Design by
マチュー・ムニュ
Mathieu Menut
夜風の匂い Le vent de la nuit
スノーボーダー(未) Snowboarder
恋人たちの失われた革命 Les amants réguliers
ローレン・ボーデ
Laurent Baude
愉快なフェリックス(未) Drôle de Félix
スノーボーダー(未) Snowboarder
衣装デザイン
Costume Design by
アニエス・ファルク
Agnès Falque
魂を救え! La Sentinelle
WASABI Wasabi
TAXi 3 Taxi 3
音楽
Music by
ジョスリン・プーク
Jocelyn Pook
アイズ ワイド シャット Eyes Wide Shut
ザ・サイト 霊界からの依頼人 The Sight (tv)
タイム・アウト(未) L'emploi du temps (脚本)
愛のはじまり(未) La Repentie
ヴェニスの商人 The Merchant of Venice
ハイジ Heidi
マーティン・ホイーラー
Martin Wheeler
Une femme d'extérieur (2000)
Fais-moi des vacances (2002)
Do You Remember Laurie Zimmer? (2003)
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
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