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King Arthur
キング・アーサー (2004) USA / Ireland 126min.
Introduction 序盤アウトライン
西暦300年当時、戦いに敗れたブリタニアの騎馬隊は、その命と引き換えにローマ帝国への忠誠を捧げる。西暦452年、その子孫にまで続くローマ帝国への忠誠を貫くべく6人の「円卓の騎士」を率いるアーサーが、名うてのローマ軍司令官として君臨、ハドリアヌスの城壁を死守すべくブリテンのゲリラ「ウォード」との戦いを繰り広げていた。ローマ帝国への忠誠を示す15年と云う契りの期間を満了し、自由を得るはずだったアーサーら騎士達だったが、ブリテンからの撤退を決定した帝国側から有無を言わせぬ形で最後の命令が言い渡される。それは残虐な侵略者であるサクソン人の勢力が迫る北部の土地から、法王の後継者とも言われる人物を保護せよと云うものだった。抵抗ゲリラ勢力ウォードと残忍なサクソンと云う強大な両勢力を相手にしながらの護送任務、それは死をも意味する過酷な任務だったーー
Various Note メモ
その構想には5年間を費やしたとも云われる「ザ・ロック」のマイケル・ベイが当初のメガホンを取っていたが、予算を危惧したベイが降板、アントワーン・フークアが引き継いでいる。
アイルランドで行われた野外ロケだが、その全体を占める冷たくどんよりとした気候を背景とした映像は、高湿度の日程を狙って撮影された意図的な映像だった。
15世紀を背景に語り継がれて来た「アーサー王と円卓の騎士」の伝説だが、本作では、450年当時の支配勢力だったローマ帝国がブリテンからの撤退を開始した時代を背景にした新解釈が展開されている。歴史的な証拠を根拠にしていると云うこの新解釈は、その注釈も作品の冒頭でも説明されているが、日本では、某テレビ番組の特集でも扱われていた事がある。
ローマ帝国と入れ替わる形で新たな支配勢力となろうとしていたサクソン人、その危機的状況からイギリスを救ったアーサー云う主人公を中心に据えたものだが、アーサーをヒーロー然と描き出した同系の作品群とはやや一線を画する印象の物語。面白いドラマには違いないが、アーサーと云う人物が背負っていた背景は、短絡的に理解出来るようなものではなかったような気がする。
ローマ軍の司令官と云う宿命的な立場であるが故に「ウォード」の討伐に身を投じるアーサーだが、殺戮する相手となる「ウォード」は同じブリテン民族、云わば同胞である。この多数の同胞を殺めた人物が如何様にしてブリテンのヒーローになれるものかと注視していれば、そのクライマックスを迎える際、アーサーの「ウォード」に対する私怨と云うものが「ウォード」の長老的な人物と交わされる会話で明らかにされる訳である。それは、「ウォード」との対戦で父も戦死、母親もその目前で殺害されると云う「ウォード」に対する決定的な恨みをアーサーが持っていたと云うもので、聞き手にも 納得の出来ると説明が提示される訳である。確かに、あの長老の言う通り「イーヴン」と云った気持ちになれなくもない所だが、このバックボーンの説明は序盤、もしくは中盤に挿入されていた方が良かったはずで、納得は出来るものの、すぐ後に迎えるウォードとの和解と云う展開が性急なものにも感じられてしまうのである。グウィネヴィアとの関係にドラマ性を持たせると云う意図に於いては、多少、温存されていても良いモチーフだとは思うが、グウィネヴィアが戦闘に加わる辺りで明らかにしておいた方が、クライマックスへの流れもスムーズだったように思えるのである。
また、本作の冒頭ではランスロットが語り手になっているが、その末路を考慮すれば、ランスロットが語り手と云うシチュエーションは不自然である。語りがあるのは冒頭部だけであり、ある意味に於いてはサプライズと言えなくもないが、これは、通常のセオリーで捉えれば相当に逸脱していると思われる。冒頭のシークエンスで妹から手渡される小物が、後に死を迎えるランスロットのサインとなる訳だが、となれば、やはり冒頭の語りが不自然である。セオリー通りに語り手のランスロットがクライマックスを見届けるのであれば、あの小物のサインに纏わるモチーフも、最後の仲間を埋葬する場面で明らかにされれば効果絶大と云った所。また、アーサーとグウィネヴィア、グウィネヴィアとランスロットと云う三角関係は、その締め括りとしてランスロットが退陣する訳だが、であるならば、冒頭のシークエンスを何故ランスロットにしたのかと云う事にもなってしまう。これらは、マイケル・ベイとアントワーン・フークアの交代劇の余韻を残す後遺症だったようにも思える。
最も気になったと云えば、エンディングの婚礼シーンだろう。自責の念に駆られたアーサーがモノローグを連発するカットは、劇中でも取り分け目に付く所だが、悲嘆に暮れていたはずの仲間の埋葬シーンから、いきなり大ハッピーなエピローグへと繋がるシークエンス展開には驚かされてしまった。クライマックスで見せたアーサーの哀しみのモノローグから、僅かな時間であのエンディングはないだろう。
ちなみに、DVDには「もうひとつのエンディング」が収録されているが、こちらの方が格段に良かったように思える。グウィネヴィアとアーサーの将来については、埋葬の場面で手を握り合うと云うワンカットに集約されているもので、更には、戦場でのアーサーのモノローグに長老が割って入ると云う捨て難いカットが収録されているのである。無論、あの婚礼のカットと新しい王としてのアーサーを印象付けるシークエンスはないのだが、その「もうひとつのエンディング」の不足部分を補うのであれば、語り手だったランスロットを端から生かしておいて、徐々に繁栄するブリテンの様子を遠目のショットで描き出し、背景にランスロットによる語りでも被せれば、冒頭のイメージのままに完結していたはずである。
監督の交代劇に始まったプロダクションの混乱なども如実に伺える編集だが、壮大なプロットを何とか纏め上げようとするスタッフとキャストの熱意は充分に伝わる作品である。顛末とは関係ないが、クライヴ・オーウェンの声のトーンは、非常に魅力があった。また、騎士達が帝国の陣地まで護送する事になるアレクトを演じるロレンツォ・デ・アンジェリス、まだ線が細すぎると云った印象は否めないが、その配役にもリンクした天性の高貴さや華を感じる俳優である。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
アントワーン・フークア
Antoine Fuqua
トレーニング デイ Training Day
ティアーズ・オブ・ザ・サン Tears of the Sun
製作
Produced by
ジェリー・ブラッカイマー
Jerry Bruckheimer
CSI:科学捜査班 CSI: Crime Scene Investigation (tv)
ヴェロニカ・ゲリン Veronica Guerin
製作総指揮
Executive Producers
ネッド・ダウド
Ned Dowd
サラマンダー Reign of Fire
ヴェロニカ・ゲリン Veronica Guerin
チャド・オマン
Chad Oman
パール・ハーバー Pearl Harbor
ブラックホーク・ダウン Black Hawk Down
バッドボーイズ2バッド Bad Boys II
ヴェロニカ・ゲリン Veronica Guerin
マイク・ステンソン
Mike Stenson
脚本
Written by
デイヴィッド・フランゾーニ
David Franzoni
アミスタッド Amistad
グラディエーター Gladiator
撮影
Cinematography by
スラヴォミール・イジャック
Slawomir Idziak
監禁 Paranoid
ブラックホーク・ダウン Black Hawk Down
編集
Edited by
コンラッド・バフ
Conrad Buff IV
トレーニング デイ Training Day
ティアーズ・オブ・ザ・サン Tears of the Sun
ジェイミー・ピアソン
Jamie Pearson
スリーピー・ホロウ Sleepy Hollow
ロスト・サン The Lost Son
美術
Production Design by
ダン・ワイル
Dan Weil
フィフス・エレメント The Fifth Element
ボーン・アイデンティティー The Bourne Identity
衣装デザイン
Costume Design
ペニー・ローズ
Penny Rose
エビータ Evita
エントラップメント Entrapment
音楽
Music by
ハンス・ジマー
Hans Zimmer
ハンニバル Hannibal
ラストサムライ The Last Samurai
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
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Gawain トエンティマン・ブラザーズ The Hard Word
ケリー・ザ・ギャング Ned Kelly
ヒュー・ダンシー
Hugh Dancy
Galahad ブラックホーク・ダウン Black Hawk Down
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レイ・ウィンストン
Ray Winstone
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Dagonet g:mt G:MT Greenwich Mean Time
ヴァージン・フライト The Theory of Flight
キーラ・ナイトレイ
Keira Knightley
Guinevere ラブ・アクチュアリー Love Actually
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
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スティーヴン・ディレイン
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ステラン・スカルスガルド
Stellan Skarsgard
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ティル・シュヴァイガー
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トゥームレイダー2
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