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The Flock
消えた天使 (2007) USA 105 min.
Introduction 序盤アウトライン
家出の可能性も囁かれる少女失踪事件が発生する中、社会復帰した性犯罪者の監視にあたる公共安全局のベテラン監査官エロル・バベッジの解任が18日後に迫ろうとしていた。性犯罪登録者の再犯防止には手段を選ばぬエロルは、その強引な監視手法が問題視される形で解任に追い込まれようとしていたが、そんな中、後任の新任女性監査官アリソンがエロルとの引継ぎを命じられる。少女の失踪事件を自身が受け持つ登録者による誘拐事件と確信する中、人権蹂躙にも終始するエロルの人間性には言葉を失うアリソンだったが、やがて崩壊寸前の関係と化していた2人の前にエロルの執念を証明する新たな事実が浮上するーー
Various Note メモ
性犯罪登録者の監視に当たる一人の公共安全局監査官の執念を描く中、法システムの矛盾にも触れる社会派サスペンス。脚本は「ハイウェイマン (2003)」「コモド (1999)」でもコンビを組んだハンス・バウアー (Hans Bauer)とクレイグ・ミッチェル (Craig Mitchell)。音楽は「ブロークン (2008)」「フローズン・タイム (2006)」「モディリアーニ 真実の愛 (2004)」のガイ・ファーレイ (Guy Farley)。監督は「デイジー (2006)」「傷だらけの男たち (2006)」「インファナル・アフェア (2002)」のアンドリュー・ラウ (劉偉強/Andrew Lau)。これがハリウッドでの監督デビュー。
主演は「最後の初恋 (2008)」「アイム・ノット・ゼア (2007)」「ハンティング・パーティ (2007)」のリチャード・ギア、「スターダスト (2007)」「いつか眠りにつく前に (2007)」「幸せのポートレート (2005)」のクレア・デインズ。共演は「ファーストフード・ネイション (2006)」のアヴリル・ラヴィーン、「アメリカン・ギャングスター (2007)」「2番目のキス (2005)」のケイディー・ストリックランド、「ワン・ミス・コール (2008)」「ツイン・ピークス (1990-1991) (TV)」のレイ・ワイズ、「ワンダーランド (2003)」のラッセル・サムズ、「Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 (2007)」「ブレイド2 (2002)」のマット・シュルツ、クリスティーナ・シスコ、ドウェイン・バーンズ、エド・アッカーマン、フレンチ・スチュワートなど。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
物語の主人公は、性犯罪者の監視には手段を選ばぬ一人の猛烈監査官(リチャード・ギア)と新任女性監査官(クレア・デインズ)の2人。そんな2人が綱渡りの関係を繰り返す中、お蔵入りにもなりそうだった連続猟奇殺人事件を解決すると云うアウトラインだが、ここでの売りは、性犯罪管理の最前線と矛盾だらけの法システムの狭間でじわじわと人格を蝕まれる主人公に投影される人間性の深層哲学。「怪物と戦う者は、その過程で自分も怪物にならぬよう気を付けよ」「深淵を長く覗き込む場合、深淵にも覗き返される」と云った格言のようなラインも大々的にフィーチャーされるスクリプトだが、ここでのテーマは「朱に交われば赤くなる」「ミイラ取りがミイラになる」といったものともやや異なるのかも。と云うより、主人公バベッジの絶対的な正義感が煩悩に駆逐されるようにも到底思えぬスクリプトは、結果的には救われた気分にすらなれるハッピーな内容。
思いがけずアブナさを露呈しようとする性犯罪者を慌てて平手打ちする場面や、真犯人にそそのかされてトリガーを引きそうになるクライマックスなど、自身のアブナさを引き出されそうになるシーンも多々フィーチャーされる中、犯罪者を追う捜査官が犯罪者と化してしまうようなアブナさを描こうとしていた事は事実だが、これは「ミイラ取りがミイラになる」と云ったような大袈裟なものでもなく、むしろケンカの売り買いにも近い刹那的な人間描写のそれ。先の例を挙げれば、目の前の相手がいきなりフェロモン全開になれば妙な気分になる事も必至で、少女の手足を切り刻むような残虐な殺人鬼を前に拳銃を構えれば撃ち殺したくなるのも当たり前の人情。容疑者と目する性犯罪者を袋叩きにするような過激な描写も飛び出す中、先の格言も生かされていたようにも思えるスクリプトながらも、その実、ここでの主人公が何故苦悩していたのかと云えば、その相手も自身の煩悩への影響度も極めて高い性犯罪者ばかりだったため。要は、ダーティーハリーのような力の正義に一石を投じるような描写ばかりでは、あの格言にも謳われるテーマもイマイチの説得力だったと云う事。怪物ハンターが怪物と化すようなリスクを描くためには、主人公のヒロイズムも度外視する「クルージング」のような容赦ない描写が必要だったはず。
ただ、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の六道の生命状態を些細なキッカケで行き来する法華経の生命観を引き合いに出せば、殺人鬼の生命状態に同化する事を余儀なくされるここでの主人公の描写にも頷けるが、やはり「性犯罪」を大きなモチーフと掲げる中では微妙な所。正直、「狼よさらば」にも通じる孤高のヒーローが性犯罪者に堕ちるような描写は見たくなかったのも事実だが、理不尽な司法取引で性犯罪者が野放しになる中、1人の監査官が何と1000人もの性犯罪登録者を抱えると云うやるせない米国の現実を世に問う意味では、やはり主人公にはヨレヨレの結末を用意した方が良かったのかも。ただ、勧善懲悪の結末を経た後のトレイシー・ホールの挿入歌ではスッキリさせられたのも事実なんだけど。それにしても、ここでのリチャード・ギアは最高。孤高のヒーロー像+偏執的なアブナさを同時にアピール出来る人ってのもなかなか珍しいはず。瞬時に思い浮かぶのもニコルソンぐらいかも。



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